この前朝日新聞を読んでいたら「食べたいおかず上位20選」というものが掲載されていました。
輝ける第一位に輝いたおかずは何だったと思いますか? そう、やはり、カレーライスだったのです。
ぷちぐる内でも檀一雄式、津村喬式、池波正太郎式、東海林さだお式と紹介してまいりましたが今回、新たに丸元淑生式を掲載させていただきます。
このレシピは名著「丸元淑生のシステム料理学」に掲載されていたものであり、皆様のおくるカレー生活の根底となりうるものであると、思います。
「すべてのカレーの基本となるものは、タマネギである」と丸元氏はいいました。
カレーとは、タマネギの料理なのです。 カレーライスを輸入した日本人は、一番肝心なタマネギを省略してしまった。 しかしそれではカレー独特のトロリとした食感がでないために、 うどん粉を入れてねばりを出したのではなかろうか? と丸元氏。
カレー作りにおいて、タマネギが重要な役割をはたしているということは、だれでもよく知っていることなのですが、美味しいカレーとそうでないカレーを分けるポイントはどこかというと、 タマネギを使用する分量にあるということらしいです。 分量の目安では、5人前で玉ねぎ8個を使用します。 一人前1.5個から2個の玉ねぎを使えば、見違えるほど美味しいカレーができるのです。
玉ねぎのみじん切りを大量に用意しておいてから、鍋にギーをひいて、玉ねぎが黄金色になるまでじっくりと炒めていくのですが、ギーがなければバターでも結構です。 ちなみにギーとはインド方面の人がよく使用する油で、水牛や山羊の乳を主成分として作られているものです。
肉は今回牛バラブロックを使用しました。 あらかじめ脂身を丹念にとりのぞいておき、一口大に切り分けて、カレー粉をまぶしつけておきます。 冷蔵庫で30分くらいおくと、 身が引き締まり、臭みが抜けます。
玉ねぎがトロトロになったところで、カレー粉をまぶしておいた肉を加え、そこへ鶏がらスープを肉が隠れるくらい注ぎます。 肉が柔らかくなるまでとろ火で煮込みます。 スープが減って、焦げつくおそれがある場合は、その都度足します。
カレー作りに玉ねぎが必須であること同様、鶏がらスープはカレー作りに欠かせないものだと丸元氏は言います。
トリガラスープを加えて煮込む際にはカレー粉を適量加えます。 強火で煮立たせるとカレー粉の風味が消えてしまうので、弱火でコトコトお願いします。
肉がやわらかくなったところで、塩、レモンの絞り汁で味を整えます。
丸元氏は銀座のインド料理店「ナイル」の主人A・M・ナイル氏にこう教わったそうです。
「玉ねぎの甘みと、塩、カレーの辛味で釣り合いをとり、レモンの酸味で調節してください。」
味が整ったところで火を止め、しばらくねかせておいた後、再び温めて、器に盛ります。
塩味、辛味が強くなりすぎた場合は、レモン汁を追加投入します。 それでもダメな場合はトリガラスープを追加投入して調整を試みます。 カレーに限らず「熱いものには熱い汁、冷たいものには冷たい汁を加える」ということが原則らしいので、トリガラスープを追加する場合は熱いものを加えてください。
これでもまだうまくいかない場合は玉ねぎを炒めて追加投入します。 玉ねぎの甘み、レモンの酸味、塩、カレーの辛味の3つで調和をとることを原則とする、と丸元氏は言います。 カレーを辛すぎないように作るには、カレー粉をひかえるよりも、玉ねぎとジャガイモの量を多くしたほうがよいそうです。
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08/4/4