完本で嬉しい所は、九州の話がよくあがる所です。 今回は五島列島における檀さんの経験談から始まります。
1、東京でアワビを食べるなぞ、ダイヤモンドを喰ってるようなもんである。 こんなバカ高いモノ食べるくらいだったら、豚の耳でもかじってたほうがマシだ! と檀さんはおっしゃいます(笑)。
なんでも本来五島の小値賀町に出かけてアワビ料理を作る予定だったのが急きょ、石神井の自宅に待機しておらねばならなくなり、いささか不本意な檀さんなのでした。
さて、私も経験ありますが、たとえばその食材の本場に出向くと、驚きの手法を用いる調理に遭遇する事があります。 贅沢というか豪快ちゅうか・・・以前平戸の知人を訪ねた時は、とれたてのアワビをゲタの歯並の厚みに切って大皿でふるまわれましてね。
「有難いけど噛めねえよ!」と内心ボヤきながらアゴが筋肉痛になるまでアワビに必死でかじりついた、記憶があります。
檀さんが小値賀で遭遇したのはあわびのソッパという料理で、大どんぶりに水を張り、氷を浮かべたら殻からはずしたアワビを沈めて掌に乗せ、木槌でトントン叩くというのです!?
すると次第にアワビの汁が氷水に流れ、白濁したアワビのにじみ汁ができるというワケです。 これを椀にすくい入れてススるんです。 ハイ、やってみましたところ、たしかにアワビの水貝っぽい味はしますがどうですかねえ・・・塩を足したほうが良いかもしれませんです。
以上水貝でした。 夏には嬉しい味覚です。 やはり水貝等生で食べるアワビならば雄貝が向く、と檀さんも書いておられますが、今回用いたのは雌貝です。
個人的な意見では、このアワビにおけるオガイメガイ問題にはマユツバ的なモノがあると考えており、列島各地で意見を聞くも、その定義ですら一律ではありません。 なので新鮮なアワビを使えばそれで良いと断言させていただきます。
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