知る人ぞ知る豆腐料理のバイブル、それが豆腐百珍です。 天明二年(1782年)に発刊されたこの本では、 豆腐料理を100品、6等級に分類して掲載してあります。 著者は醒狂道人何必醇という人で、正体ははっきりしませんが、篆刻家の曽谷学川ではないかという説があります。
豆腐は今から3000年前、中国の淮南王(わいなんおう)である劉安(りゅうあん)が発明したという説があります。
でも、劉安が書いたと言われる「淮南子(えなんじ)」には、豆腐のこのなど一切書かれていないそうです。
篠田 統氏の調べによると、豆腐のことが書かれた最古の文献というのは五代の陶穀(903-970)が書いた「清異録」で、 氏の推理では、「北方の遊牧民族が大量に中原に移動してその後、彼らの好むチーズが得がたくなったので、代用品として豆腐を発明した」 という説をたてました。
その他の説としては、「漢代には淮水領域ですでに豆腐作りの条件がそろっており、かつ豆腐作りが可能だった。 豆腐の創始者は、古代の淮水領域に住む農民だ」という話もあります。
日本ではじめて「豆腐」の文字が現れるのは寿永二年(1183年)のことです。 奈良・春日神社の供物帖に「唐符」と記されていたそうです。
日本に豆腐を伝えたのは、豊臣秀吉の朝鮮出兵の折、長宗我部元親の連れ帰った捕虜の中にいた豆腐作りの職人だいう話等諸説あるようです。
上で100品を6等級に分類していると書きました。 等級を具体的に記しますと次の通りになります。
今回ご紹介している豆腐百珍 は、新潮社のとんぼの本版で、当時の文献を元に、できるかぎり忠実に再現しているものです↓
ちなみに国立国会図書館の近代デジタルライブラリーでは、淮南狂道人編の豆腐百珍 手軽料理を閲覧することができます。
それでは豆腐百珍の中から、食べてみたいものをいくつか選んで実際に作ってみることにします。
豆腐百珍で気になったレシピです。
10/11/10