食品偽装や異物混入など食についての安全が懸念される昨今、食そのものについて各個人がもう少し知っておくべきことが多いような気がしてきます。 食のIQという感じでしょうか。
栄養その他の大事な事柄をこのページに集めてみたいと思います。
よい食事の3大条件
- 必須栄養素が腹八分目くらい食べて過不足なく摂取できること。
体内で合成できないために食事でとらなくてはならない栄養素のことを、必須栄養素といい、50種程度ある。
正しい料理の知識も必要だが、なによりもまず食品自体に力がなくてはならない。
- 体にストレスを与える物質(有害物質)をできるだけ取り込まない。 防腐剤のことを食品衛生法では保存料と呼ぶが、これによって利益が得られるのは食品メーカーである。
- 燃料となる栄養素の比率が人間の体に適していること。 食事で摂取した栄養素のうち、からだのなかで燃料となりうるのは、炭水化物、脂肪、たんぱく質の3つである。
車にたとえると、その三種類の混合燃料で我々は走っているわけだ。 では、どういう混合比率が体によいのかというと、実はそれがよくわかっていない。
肉
- 料理に当てる時間が短くなれば料理の数が減るのは当然として、極端な場合には、カレーライスだけというようないわゆる一皿料理になってしまう。 そして一皿料理になった場合のカレーの
中身は肉が占めているに違いない。 そうでないと、一回の食事としての充実感を得ることができないからだ。
- 肉は料理の時間を短縮してくれる便利な食品である。
- 肉を食べると多量の脂肪をとることになる。 脂肪のところを切り取ったとしても、組織の中に、取り除けない脂肪がまだ多く含まれる。
- 肉に含まれる脂肪の多くが飽和脂肪酸で、しかも、飽和脂肪酸の中でも融点が高く44℃以上というものが高い比率を占めている。 36〜37℃という人体の体温下では、当然それらは固体状を
なしており、多量に摂取された場合にはさまざまなトラブルをもたらすことになる。
- 固体状をなしている脂肪は、基本が水でできている血液には合わないので、体は微小な粒に砕いて循環させるが、脂肪の粒同士は、くっつきやすい性質を持ち、血液中では赤血球同士をくっつき
あわせる糊のような働きもする。 赤血球は折り曲げたように自分自身を変形しないと小さな血管を通れないという大きなもので、それがくっついて団子状になっては通れなくなる。
- 牛肉を1ポンド得るには、穀類あるいは大豆を16ポンド食べさせなくてはならない。
- むやみに豆腐を食べる人がいないことからもわかるように、豆中心の食事は、食欲によって適量にコントロールされる。 肉中心の食事は、食べ過ぎることのできる食事だ。 食欲が正常に
働かなくなる食事といってもよい。
トマトはなぜまずくなったのか
- 加工業者は、トマトはもっとかたく、酸味がすくなく、小さくあるべきだと考えた。
- 技術者たちは、トマトの皮がつぶれないように厚くて、コンベアに乗っても転がりださないように長楕円形であることが望ましいと言い出した。
- 遺伝学の研究者たちがこうした要望に沿った品種の開発に力をいれた結果、その他の要素は切り捨てられた。 物理的ショックに強く、酸味が少なく、完熟する時期が一斉であり、長楕円形で、
葉の茂りがよく、多収量。 風味や栄養は二の次だった。
- エチレンという物質はトマト自体が作り出すもので、完熟してくるとトマトの実を赤くさせる物質だが、これが農薬として開発された。
- 消費者は昔の本当のトマトの味を忘れてしまうのだ。 そして皮がかたくて厚い、汁気も少ないトマトを買うことになる。
化学物質について
- 食品に加えられる化学物質は、医薬品と異なり、日常的に長期間、人によっては毎日取り込むことになるために影響が大きい。 加工食品を毎日何かしら食べている人がいたら、
さまざまな化学物質を実際毎日食事によってとりこんでいるという話になる。
- 食品添加物は実験動物(ネズミ等)で個々に一般毒性が試験されて使用が許可されているが、多種組み合わせられた場合の毒性は調べられていない。 着色料の赤色2号、
合成甘味料のシクラメート、乳化剤のトウィーン60をそれぞれ単独でネズミに与えたときは異常がみられないが、三つ同時に与えると、2週間以内に一匹残らず死亡したというデータが
報告されている。
- 日本人は一日平均84種類の食品添加物を摂取していると推定される。 加工食品の中には、一つで数十種の添加物をふくむものもある。
- 農薬は7年から40年間、環境にとどまり、食物連鎖によって濃縮されていく。 陸では植物から動物に。 海中では小魚から大きな魚に濃縮していく。 農薬の多くは脂溶性なので、
肉のなかでもとくに脂肪組織でその濃度が高まる。 現在の化学物質で汚染した環境から身を守るには、食物連鎖の低いところの食品で食事を構成することがいかに大事かわかる。
- 熱帯地方で使用されたDDTやBHCは、気温が高いため揮発して空気中に拡散しやすい。 それが大気、雨水、海水などを通じて地球全体に広がっていると考えられる。 南極の大気や
雪、氷、海水からも検出されているのだ。
- 玄米、ヌカ漬けは残留農薬に気をつける。
- イワシやサンマの身にグルタミン酸ソーダをかけると旨味と同時に赤みがでる。 これだけだと油分が足りないので、業務用マーガリンを加え、ネギと混ぜる。 こうして作られたネギトロもあるそうだ。
食品添加物
- 増粘多糖類:ガン発生促進作用があるといわれるカラギナンが使用されているかもしれない。
- 香料:安全性に信頼がもてないものが多い。
- かんすい:麺類の製造に用いるアルカリ剤。
- アミノ酸等:グルタミン酸ナトリウムが使われている場合がほとんど。
その他
- それにしても、体によくない食事を大多数の人が食べ続けるというようなことが、どうして起きるのだろうか。 自然界にそういう動物がいたとしたら、急激に数を減らすに違いない。 だが、
人類の場合は、病人が増えてはいるけれども、死亡者が激増するというような状況ではない。 しかし、それは医療によって死が遅らされているからであって、われわれはゆっくり衰退への
道を歩き始めているのではないのか?
- リンゴが重力というただ一つの力で木から落ちてくるように、現代人の食事を変化させているのも、経済的な豊かさというただ一つの力であることがわかったのだ。
- 現代人がいかに植物油を多く使うようになっているかは、1910年から80年までの70年間に、米国の場合、消費量が12倍にもなったといえば、その凡の程度がわかっていただけるだろう。
- 加工食品の業者にとっては、砂糖は最も強力な、しかも最も廉価な武器なのである。 砂糖を多く入れたほうが競争に勝ち、シェアを拡大できるという事実を、多くの統計が示す。
- わが国でも、テイクアウトの寿司店の寿司飯が、売れてチェーン店を増やしているような店ほど甘いことに気づいている人は多いだろう。 それはかつての熟鮨などを食べたときに感じた甘さとは
異質のものである。 熟鮨は噛んでいる間に甘さが出てくるのだが、売れてるテイクアウトの寿司は、多量の砂糖のおかげで口に入れた瞬間にもう甘いのだ。
- 現在、日本の専業主婦が料理に割いている時間は、平均で一日二時間半にすぎない。(NHK国民生活時間調査)
- 食事の質は、炊事時間だけでなく、材料を買うために費やされる時間や労力によっても大きく左右される。
- メソポタミア文明の崩壊のように、われわれは過去に、灌漑による農地の拡大がやがては不毛の土地を生んでいった例を知っているのだが、現代の科学技術はその過程を数倍、数十倍に
加速していると思われる。
- 昆布のひとりあたりの消費量は沖縄が全国一。
- 2.5センチの表土が作られるには、100年〜500年かかる。 それが一回の大雨で流されてしまう。
- 動物は栄養状態がよいと毛づくろいをするけれども、バランスの悪い食事を与えると毛づくろいをしなくなることが知られている。
- 食間に、カロリーあたりのたんぱく質の少ないものをかなりの量食べると、食事で食べたいものが変わってくる。 高たんぱく食品を要求するのだ。
- 家族経営の小規模な魚屋、八百屋、豆腐屋があった場合には、住民の栄養の状態が非常によくなる。広域流通によらない、力を持った食品が近くで手に入るようになるからだ。
摂取カロリーに占める脂肪の割合
- ベーコン:96%
- クリームチーズ:89%
- ポークソーセージ:86%
- アボカド:85%
- 豚・腰、スペアリブ:74%
- サラミ:74%
- カマンベールチーズ:72%
- サーロインステーキ:69%
- 卵:63%
- フライドチキン(もも):61%
- ポテトチップス:60%
- ミルクチョコレート:55%
- 豆腐:53%
- 牛乳:51%
- いわし:48%
- アイスクリーム:47%
- 鮭:40%
- 大豆:39%
- ハンバーガー:38%
- 牛乳(低脂肪):34%
- スズキ:20%
- パン:14%
- レタス:13%
- ほうれん草:12%
- わかめ:11%
- 昆布:11%
- ナシ:6%
- カニ:6%
- ネギ:4%
- バナナ:4%
- ミカン:3%
- ナス:3%
- ニンジン:3%
- 海苔:3%
- グレープフルーツ:2%
- オレンジ:2%
- 米:1%
- 桃:1%
- ジャガイモ:1%
消費期限
消費期限は製造してから5日以内なら消費しても大丈夫なもの。 一度開封したら期限にかかわらず早めに食べる。
賞味期限
品質が落ちずにおいしく食べられる期間。 一度開封したら期限にかかわらず早めに食べる。
産地表示
たとえば、「紀州産」と書かれた梅干があったとして、この梅が中国で採れたものであっても、最後の一塩を紀州でふりかければ紀州産ということになる。 ウナギの場合、中国で焼かれたものを
輸入していたとしても、日本でタレをつければ日本産のうなぎということになる。 これは法律できめられたことになる。
生鮮食品と加工食品
スーパなどで売られる刺し盛り(何種類かの魚を盛り合わせひとつのトレイで売られるもの)は、生鮮食品でなく加工食品として扱われる。 加工食品には産地表示の義務はないので、
どこで獲れようが水揚げされていようが消費者に知らせる必要はない。 解凍、養殖の表示もしなくてよい。
菌
- ブドウ球菌:熱や乾燥に強く、100℃で30分沸騰させても死なない。 塩分濃度の高い食品でも増殖する。 調理する人の手から食品に入り込み「エンテロトキシン」という毒素をだして、
食中毒をひきおこす。
- O-157:人から人へ2次感染があり、集団発生が多い。 熱に弱いが低温に強く、冷蔵庫内でも繁殖。 潜伏期間は4、5日。
- 腸炎ビブリオ:塩水を好み、真水、低温、熱に弱い。 海中に潜む。
- サルモネラ:熱に弱く、低温、乾燥に強い。 卵、肉、ペットから感染。 二次感染の恐れもある。 自然界に広く分布。
- ボツリヌス菌:酸素がなくても繁殖。 缶詰、瓶詰め、燻製など保存食が感染源として多い。 熱に弱い。
ビタミン
- カルシウムとビタミンDをともに多く摂取すると、大腸がんにかかるリスクを下げる可能性があることが、九州大などの調査でわかった。 カルシウムが豊富な食品は、
切干大根、木綿豆腐、サクラエビ等。 ビタミンDはサンマ、サケ、キクラゲ、シイタケ等。(2008/09/23朝日新聞より)
参考文献
以上の本が大変参考になりました。 随時更新していきます。
おさらい
07/11/17