さて何を天ぷらにしましょうか。 アナゴやキスは想像しただけでもヨダレがでてきます。 海老も食いたいですし、イカ・・・オクラ、ししとう、タマネギ、シイタケ、シソ……。
お好みの食材を天ぷらにしましょう。 野菜は洗って水気をよくとっておきます。 魚介類は冷凍ものを使う場合、十分解凍させて水気をとっておきます。 揚げる寸前にバタバタとタネを用意するのではなく、 今晩は天ぷらを作るぞ、と前もって準備しておくぐらいの余裕が必要になります。
野菜は適当な大きさに切り分けて、海老を使う場合は尻尾の先を切り落としておくと油はねしません。 エビフライのときと同じです。
天ぷらの衣はかき揚げの時と同じように作れば問題ありません。 注意するところとしては、
です。 中力粉や手打ちパスタに使う強力粉を使うと、粘りが強すぎてカラリと揚がりません。 また、小麦粉の粘りは温度が低いほどでにくいので冷やしておくわけです。 衣は粉っぽさが残るぐらいざっくりと混ぜるだけにしておきます。 混ぜすぎると粘りがでてカラリと仕上がりません。
とにかく粘りに十分注意しておきましょう。
天ぷらの種に衣をつける際にも注意が必要です。 野菜など水分の多いものには厚く、魚介類には薄くつけるといわれています。
シソやシイタケを揚げる際には裏側だけに衣をつけて、色合いの美しさを活かすと同時に、水分がこもってベタつくのをおさえます。
アナゴやキスに衣をつける場合は、皮側の衣が厚くなるような心構えで挑みます。
美味しい天ぷらを作るには、是非油にこだわりたいものです。 サラダ油と胡麻油を混ぜて使うと風味がよくなります。 その割合は6:4とか半々とか色々ありますが、 とにかく油を単体で使うよりも、混ぜたほうが美味しくなります。 でも自分で作り、自分で食べるものなので、サラダ油のみで揚げたり、ごま油のみで揚げてみたり、 その他の油を使ってみたりしたほうが勉強になると思います。
惜しげなく、思い切ってたっぷりの油を使うことが重要です。 油が少ないとカラリと揚がりません。 もちろん新しい油に越したことはありません。
古い油で揚げた天ぷらを食べると美味しくないばかりではなく、胃がもたれたりします。 油の表面に泡が立ち、いつまでも消えないようならば古くなった油の証です。 交換しましょう。
油の温度は180℃が基本的ですが、火の通りの悪いものは170℃で揚げたりもします。
油の温度を知る目安として、火にかけた油の上に衣を少し落としてみる方法があります。
保温力にすぐれた厚手の鍋がよいそうです。 テンプラのタネを入れると油の温度が4℃下がるといわれており、上手に天ぷらを揚げるには、 油の温度が一定していることが望ましいのです。
衣をくぐらせた天ダネを順次揚げていきます。 まずは野菜類から揚げ、その後魚介類などを揚げるようにします。 動物性たんぱく質が、油の酸化を早めるからです。
アナゴやキスは皮を下にしてしずかに油の中に投入します。 こうすることで素材が丸まってしまう事を防止するのです。
シソは衣をつけたほうを下にして油の中に投入します。 衣側が揚がったらすぐにひっくりかえして表を一瞬揚げ、すぐさま取り出します。 すぐに揚がります。
十分揚がったかどうかは、素材から出る泡で確かめることができます。 泡が少なくなったら水分が飛んできたということで揚げ上がりが近いことを表します。 経験をつみ、ベストなタイミングを覚えましょう。
油の中へ一度に沢山のタネを投入してしまうと、まず間違いなく上手に揚げることができません。 油の温度が急激に下がってしまうためです。 少しずつ、適度な分量を投入します。
天ぷら屋の主人が、「これは塩で召し上がってください」などと言っても、聞き流す。 絶対に天ツユを選ぶ。
と書いたのは、大根おろしが好きな丸谷才一氏です。 塩では大根おろしが食べれないからという理由でした。
ちなみにオイは「塩で食べてみて」と言われたらまずは素直にそうします。 さて、天つゆの作り方ですけど、簡単にやるならば市販のめんつゆを用いればよいとして、 自作する場合はどうするか? めんつゆの作りおきがある時は迷わずこれを使います。 ない場合は出汁5、醤油1、みりん1の割合で混ぜ合わせて天つゆを作ります。
各割合は、好みによりかなり変わってきます。 出汁4、醤油2、みりん1.5だったりもするでしょう。 ご自由にどうぞ。
池波正太郎の食卓にあった「丼つゆ」を作り、天丼にするのもひとつのテです。 作り方は、
天ぷらの薬味といえば大根おろしやおろしショウガの事がまず真っ先に思い浮かびますが、 老舗の天ぷら屋では大根おろしは使わずに柚子の皮をおろしたおろし柚子を使うそうです。
大根おろしについて、北大路魯山人はこう言いました。「天ぷらは油が少し悪くたって、畑から抜きたての大根おろしがあればなんとかなる。 天ぷらに新鮮な大根おろし、これにしょうゆをかけて食べれば俗なダシに優る。」と。
薬味は大根おろしで十分です。
※一本の大根の、先っぽのほうが辛くて薬味に適します。 葉に近い部分は煮物などに用います。
天ぷら屋に行くときは、腹をすかして行って、親の敵にでも会ったように揚げるそばからかぶりつくようにして食べなきゃ。
と、池波正太郎氏は「男の作法」のなかで書いていました。 そうしないとテンプラ屋の親父は喜ばないそうです。
家庭で天ぷらを食べる際も是非そうありたいものです。 上げたてが一番に決まっています。
天ぷらは揚げたてが一番と言いましたが、作りすぎて残ってしまった天ぷらにもまだ道はあります。 それは天ぷら茶漬け。
北大路魯山人によるものです。
以上このページを作成するにあたり、コックのネタ本を参考にしました。
08/10/03