何を隠そうベーコンマニアです。 未知のハム屋さんを見つけるとまずベーコンを買ってみます。 そのベーコンが美味しかったら、 ハム、ソーセージと買い進みます。
さて、ベーコンを知らない人はそういないと思いますが、ベーコンを作ったことがある人もそういないと思います。 自家製ベーコンといえばなんだか敷居が高そうな雰囲気がありますけど、 でも実は、ベーコンって簡単にできるんです。 それもかなり高レベルの。 コツと手順さえ覚えればもう、あなたも立派なベーコン職人です。
ベーコンといえば豚バラ肉です。 信頼のおけるなじみの肉屋さんから豚バラ肉の塊を張り切ってドーン!と買ってしまう勢いも時には必要ですが、 まずは試しに1キロぐらいの塊ではじめてみたほうが安全です。
そんな豚バラ肉の血抜きをしましょう。
豚バラ重量の10パーセントぐらいの塩を肉塊に、まんべんなくこすりつけます。 今回肉が1キロですから塩は100グラムです。
塩をすりこんだバラ肉をビニール袋に入れて、肉と同じぐらいの重量のある重石をして冷蔵庫で一晩寝かせます。
翌日袋を覗くと、血のにじんだ汁がたまっているハズですからそれを洗い流します。
※面倒ならば血抜き作業は飛ばしてピックル液からはじめても結構です。
ピックル液を作ります。 ちゃんと頑張って作るのも結構ですが、 オイのオススメはニンニク、ショウガをすりおろしたものと黒胡椒をドッサリ加えた塩分3.5パーセントの塩水液です。
ピックル液の中に肉を浸し、冷蔵庫で5日間寝かせます。 途中で一旦裏返したほうが満遍なく味が回ります。
寝かせる日数が短いと、ベーコンらしい食感になりませんのでご注意ください。
ピックル液に漬けこむ前に、肉をざくざく刺して味を染みやすくするという技もありますが、いつも行いません。 だって、何もしなくてもちゃんと味は染みますもの。
さて5日間が経過しました。 ピックル液から肉を取り出しまして、チョロチョロ流水に3時間さらし、塩抜きをします。
ここはかなり重要なポイントですのでヌカリないようにお願いします。 3時間さらしてみて、肉をちょっとだけ切り取り、焼いて味見してみてください。 塩辛いようでしたらまた流水にさらして塩抜きをしてください。
塩辛くないようでしたら水から上げてください。
※燻製にすると水分が抜け、幾分塩辛さが増します。 ですから塩を抜きすぎるぐらい塩出しするほうがよいと思います。
塩出しのすんだ豚バラ肉を吊るして2時間ぐらい陰干しにします。 あたりを虫が飛んでいる場合はネットに入れたほうがよいものです。
陰干しにした肉を燻製器に入れて、 温燻にかけます。 今回ヒッコリーのスモークチップで燻します。
燻製器内の温度は60℃で、約6時間燻します。
器内の温度が高くなりすぎるとできあがったベーコンの食感が悪くなり、風味も台無しになるのでつきっきりでの作業をお願いします。 温度が上がってきたら、燻製器のドアを少し開けたりして調節します。 この日は天気が良くて爽快だったので、 愛読書の『センス・オブ・ワンダー』を傍らにのんびりと燻しました。
※燻煙している近辺に洗濯物を干している場合、ただちに撤去してください。 モロ、スモーク臭が移ります。
燻煙がすんだらベーコンを取り出し、1時間ぐらい干して風に当てます。
たぶん丸かじりしたいぐらい「早く食べてみたい」という気持ちがこみあげていると思いますから、思うがまま、かみついてみてください。 驚くべき香味、旨さでしょう。
でもラップにくるんで冷蔵庫で一晩寝かせたほうがグッと味がよくなりますよ。
ようやく完成した手作りベーコンをそのままつまんだり、日々の調理に活用してください。 ちょっとリッチに切り分けてからベーコンエッグを作ってみてください。
なんて立派で美味しいベーコンエッグなのでしょう! カルボナーラを作ってみてください。 旨さに言葉もありません。
豚バラ肉に塩をすりこみ血抜きをして、ピックル液に漬けこむ。 取り出して塩出しし、干してから燻煙する。 休ませてから一晩置き、自由に食べる。
10/06/24