初めて吉村家の行列に並んだときは衝撃を受けました。
食券を購入し、長椅子に腰掛けて入店の順番待ちをしていると、中から鉢巻に長靴姿の店員さんがやってきました。
「食券をみせてくださいー」
と言うので掲げると、15人はいようかというお客のオーダーを、すべて記憶してしまうのでした。
これはお客の流れを円滑に処理するためのものであり、いざ入店して席につくと、オーダーを聞いた店員さんは、厨房内の店員さんに、逐一細かい注文を伝えていきます。
そして待ち焦がれていた一杯が目の前に運び込まれると、そのボリュームに圧倒されます。 分厚い油の層の下では、白濁した豚骨スープが対流し、渦を巻いています。
麺を持ち上げると、油膜が破られ湯気がもうもうと立ち上り香気が顔を覆い・・・あーもう食べたくなってくるのでこの辺で切り上げますね。
吉村家といえば、中太でモチムチの麺です。
今回強力粉500グラム、薄力粉500グラム、 塩10グラム、卵水440グラム(卵3個を水で溶いたもの)をこねて作りました。
麺を打ってから寝かせることはせず、即使います。 茹で時間は、5分ちょうどです。
麺の太さはパスタマシンに付属の刃で5ミリに決めました(ホントはもう少し細いほうがよかったのですが)。 あらかじめダイヤル5まで生地を延ばして切り分けます。
詳しい麺の打ち方は、パスタマシンで自家製麺をご参考にどうぞ。
※最近気づいてしまったんですが、麺を打つのがメンドウな時は、是非さぬきうどんの乾麺を使ってみてください。 かなりサイズや食感が似ています。 茹でる際、お湯にターメリックやカレー粉を少々忍ばせると、 それらしい色味を帯びた麺となります。
豚骨醤油ラーメンというぐらいですから、ゲンコツを叩き割り、大量に煮出します(ラーメンの作り方)。 アクをとりながら、グラグラ強火で煮込んでいきます。
ゲンコツを煮込むと同時に、かたわらでトリガラを大量に煮出します。 そしてゲンコツの鍋の水かさが減ってきたら、その都度トリガラの鍋からスープをゲンコツ側へ注ぎこむのです。
トリブタ混合スープなんです今回。
そしてスープがなくなってしまったトリガラの鍋には再度水を注ぎ込み、トリガラを追加投入し、再び煮込み始めるのでした。 ゲンコツを煮ている間中、同じ作業を繰り返します。 いわば「追いトリガラ」です。
豚モモ肉をゲンコツと一緒に煮込んだあと、リンゴのスモークチップで燻します。 これで薫り高い家系風チャーシューができるんです。 詳しい燻製の作り方はこちらをどうぞ→燻製の作り方。
家系といえばほうれん草です。 濃厚醤油風味には、このほうれん草が欠かせません。 塩を入れた湯でサッと茹で、即冷水に放ち、水気を絞ってから適当に切り分けておきます。
その他のトッピングとしては炙った四つ切りの海苔を是非用意したいところです。
家系といえばチーユです。 チーユとは鶏の油のことでありまして、このように抽出します→鶏油。
欠かすことのできないものですので、是非大量に用意するようお願いします。
よく温めておいた丼にチーユと、醤油を同量程度注ぎます。 チーユは火にかけて、あらかじめ液体化しておくとよいでしょう。
そこへグラグラ沸き立つ豚鶏混合スープを注ぎます。 すると丼内でそれぞれが一気に合わさり、見覚えのある豚骨醤油スープになるハズです。
※吉村家ではいつも麺固め、油多目、味濃目を食べているので、それに準じた油、醤油の量を使いました。 各分量はお好みでどうぞ。
麺を大鍋で5分間茹で、平ザルでたくみに湯きりし、丼の中へ流しいれます。 麺をいなし、チャーシュー、ほうれん草、海苔をトッピングしていただきます。
ちなみにこれは、本家吉村家のラーメンです。 ムッショーにススリたくなる時あるんですよね。
家系風ラーメンを作り、長崎の友人たちに食べてもらう。
12/04/04