おからに色々具を入れて、甘辛く味付けをした炒りおからは、 昔祖母がよく作ってくれていた懐かしいメニューのひとつです。
家内も小さい頃、やはりお婆ちゃんが作ってくれた炒りおからをよく食べていたそうです。 おぼろげな記憶をたどりながら、二人でおからについて語り合いましたが「甘口だったよね」「うん甘かった」と、 「甘い」というところに関しては意見が共通するものの、入っていた具や色合いが、まったく違うものでした。
「あーだった」「いやこうでない」と意見を出し合っているうちに次第に険悪なムードになりはじめまして、 今まさにおからで一触即発の事態にまで発展してしまいました。
オイが記憶している祖母が作ってくれていた炒りおからの作り方を以下に記しますが、 もしかすると炒りおからには、全国的にかなりの差異があるのではなかろうかと思い立ちまして、 ぷちぐる投票所「web酒場」にて投稿いただいておりましたお題 「卯の花の具、何を入れますか?」の緊急投票を開始いたします。
これがおからです。 豆腐を作る際に出る大豆の搾りかすで、別名卯の花ともいいます。 近年、おからほど安い食品というものもまれにあるものではありません。 それなのにせんい質を多く含んでいたりと体にも良いというのですから、活用しないテはないのです。
※卯の花という呼び名の由来は、大豆のしぼりかす、すなわちおからが、「卯(卯木)」の花の色に似ていることからきたものです。
おからをさらしにくるんで軽く水洗いをし、水気を切っておきます。
今回たまたま蕎麦つゆを仕込んでいるところでして、昆布と貝柱、 干ししいたけのダシが目の前にあったので、 これを炒りおからにも使いたいと思います。
たぶん祖母が作っていた炒りおからには、ダシなど入っていなかったのではなかろうかとも思うのですが。
鍋に油をたっぷり引いて、用意しておいた具材を炒めはじめます。 今回はニンジン、ピーマン、豚バラのみじん切りを用いておりますが、それこそ何を入れたってよいかと思います。
おからを加えてすかさず油を「のの字」に回しかけ、まんべんなく炒め合わせていきます。 火加減は中火程度でお願いします。
なにしろ甘くない炒りおからは想像できないので、みりんをドプドプと注いでおからをもったりと、 まるで糠床のような質感にまとめあげつつ炒め続けます。 ダシの用意がある場合は、この際程よく注ぎます。
砂糖をザザッと加えて強い甘みを付け加えます。
仕上げに醤油を回しかけながら炒め合わせ、 時折味見をしては自分好みの味に仕上がるよう調味料を追加していきます。 ほどよく汁気が飛ぶまで炒めたところで完成です。
ここが家内と大きく意見が食い違ったところでありまして、 オイは今回あえて濃口醤油を用いて色濃く仕上げておりますが、家内は「こんな茶色した炒りおからなんて見たことがないわ」と腹を立てるのです。
たしかに惣菜屋さん等で目にする炒りおからも見た目は白々しているのですが(檀流のコハダずしみたいな)、 うちの祖母が作ってくれていたものは、たしかこういう風に茶色いものだったと記憶しているのです。
さて、あなたの思い出に残る、または普段作っている炒りおからは、一体どんなものですか? 入れる具に関する投票も期間限定で開催しております、 是非ご一票をどうぞ→卯の花の具、何を入れますか?。
おからをすり鉢でつぶして卵を沢山入れ塩、砂糖、酢で調味してサラサラに炒る。 刻んだコハダと茹でた芝エビを混ぜ、グリンピースを散らしてしょうがを添える。
曽野 綾子さんの『人間にとって成熟とは何か』に、炒りおからに関する記述がありました。 ポイントは以下の通りです。
とのことでした。
おからを水洗いし水気をしぼり、好きな具と一緒に炒めて甘めに味付けをする。
11/10/23