御年八十の和菓子屋さんで、年齢からは想像できないガッツにより商店街を引っ張り続けるレジェンドがいます。 爺様の元気の秘訣は「毎夜の酒」。 行きつけの小料理屋さんでたっぷり飲んでから家路につくといいます。
一度同席させてもらったことがありましたが、もうひっきりなしに料理が運ばれてきます。 それもまたメニューには載ってないものばかりがズラリと並びます。 たっぷり肉の残ったクロマグロの中骨や、猪の三枚肉・・・ふかしただけの里芋。 中でも爺様一番のお気に入りは「きつね焼き」なるシンプルな一皿でした。
「今度からオイもチョイチョイ顔出すようにします」と言えば、
「俺と一緒だからこんなの喰えんだぞ、そこ忘れんなよ! おまえ一人でこの店来たって、水ぐれえしかサービスしてくんねえよここのオカミはよ、ハ!」
と一喝されてしまいました。
ここで言う「きつね」とは「揚げ」すなわち薄揚げです。 おいなりさんを作る時のように半分に切って袋状に開きます。
揚げにキャベツの千切りをしっかり詰め込みます。 少々はみ出たってかまいやしません。 一緒に刻みネギも詰めておくと複雑な風味になります。
揚げ包みを器にずらりと並べたらラップをかけて、軽くチンします。 するとキャベツはややしんなりとしてかさが減り、くるみやすくなりますのでここで形を整えるとよいでしょう。
あとはきつね焼きの上からかつお節をドッサリ散らして所々すりおろした生姜を添えていただきます。 つまむ際は醤油でも、ポン酢でも、めんつゆだってよく合います。
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13/07/25