昔っから一度いでいいので北京ダックを家で作ってみたかったんです。
でも素人には手の出ない域のような気もするし、そもそもその製法がわからんし・・・。 とあきらめ半分でいたところ望みは叶いました。
某所に北京ダック専門店があり、足しげく通っていたところ店主と顔見知りになりましてですね、「北京ダックって家でも作れたりしませんよね?」と聞いてみたところ、 「そんなの簡単だよー」と即答していただいたのでした。
以下専門店による北京ダックの作り方です。
北京ダックですからアヒルを使うのが当然ですが、オイには入手困難なので鶏で代用します。
800〜1キログラムの丸鶏を用意します。
そしておもむろに、尻側から空気入れのチューブを差し込み、首側と尻側をしっかり閉じて、せっせと空気を送りこみ、鶏をパンパンに膨らませます。 こうすることで、皮と身が離れやすくなります。
湯をわかして丸鶏を一瞬沈めてすぐ取出します。 皮をピンと張らせるわけです。
火にかけたお湯に水飴を溶かしてトロリとさせます。 舐めると甘くて当然です。
鶏を吊るし、中火にかけている水飴を、繰り返しまんべんなく回しかけていきます。 次第に鶏は艶を帯びてくるでしょう。
艶々の鶏を、風通しの良い所に丸一日干します。
干す場所は日陰で風通しの良い所でして、真夏の時は冷蔵庫にラップをかけずに安置して三日ほど置くとよく乾きます。
鶏が乾燥していくにつれて艶が増していくんですもの、期待感高まります。
本式にやるならば焼きますが、家庭では揚げるほうが簡単だろうということでした。
まずは180℃でサッと揚げ、160℃に落として5分ぐらい揚げ、 最後に再び180℃でパリッとさせると揚げあがりです。
「まずは皮を食べて次に・・・」とかイロイロ言いますが、「四の五の言わずカジュアルに食べるのが北京ダックは一番!」との事ですしそれに賛成です。 皮を壊さぬよう、鶏のさばき方みたいに分解します。
ちなみに本式に北京ダックを食べるには四つの方法がありましてですね、これを一鴨四吃といいます。
春餅でくるんで食べるのが普通ですが、うちの家族は生春巻きが好きでして。
まずは皮中央にテンメンジャンを塗りつけて、 ダックを乗せ、刻みキュウリとネギを添えます。
※「ちなみに甜麺醤はどういう風に作ってるの?」と聞かれたので こんな風です。 と伝えたところ、八丁味噌に砂糖、胡麻油、水飴、ネギをあわせて蒸して作るのも旨いよ、と教えてもらいました。
皮を手前から奥へたたみまして、
右端から内へ向かってたたんで、
最後に奥へごろりと転がすとくるみおわりです。
たたんでいない左端からかぶりつきます。
肉にフリッターの衣をつけて天ぷら風に仕上げました。
骨を二時間コトコト煮込んで澄んだスープを抽出し、みりんと薄口醤油、塩ですっきりしたスープを作りました。
ローストチキンみたいにオーブンで鶏を焼いてダックを作れば油がとれるので煎り卵ができます。 要はチーユで煎り卵を作ってるんですからね、旨いに決まってます。
今回教えていただいた中で一番感動したのはこのタレです。 梅肉、ハチミツ、胡麻油、 レモン汁、砂糖を合わせてもったりさせたものですが、合いますねーダックと。 皮も肉もおかまいなしに、タレにつけてつまめば至福です。
家庭で作れる北京ダックを伝授してもらい、今後の人生に活かす。
13/05/02