どうしてこう人を魅了するのでしょうかニラ玉。
汁物になっているニラ玉に、 ついこないだは、それこそ真・ニラ玉なるものを思いついたばかりでしたけど、
また新たなニラ玉にひょんな所で遭遇しましてね、それは一冊の文章読本の中にありました。
電車の待ち時間に、たまたま手にしたのが野地 秩嘉さんの『SNS時代の文章術』でした。
購入し、スラスラ読み進んでいたところ、野地さん幼少期の思い出話がありまして。 そこに記されていたのがこのニラ玉なんですよ。
産みたての卵に、摘みたてのニラを刻み入れて混ぜ、すかさず醤油をたらし、炊きたてのご飯にたっぷりかけて、かっ込むんです。
この一文を読んで心拍数が高まりました。 「なんでこんな遅いかねこの電車、早く走れ、こっちは口がもうニラ玉なんだ!」 と気持ちはハヤるばかりです。
ようやく駅に着いたら飛んで家に帰り、炊飯の手続きを済ませて即、車に飛び乗りました。
向かうは長崎市のはずれにある産みたて卵の自動販売機です。 手に入れて、スマホを取りだし記念撮影をし、そのまま行きつけの生産者直売所に電話しました。
「朝摘みのニラってありますか?」
ニラの収穫は早朝が良いんです。 大地の、そして大気の水をたっぷり含んだニラは、切ればその口から甘い水がしたたります。
あいにく今は昼下がり、でもなるべく新鮮なニラを手に入れるべく、三軒の直売所に連絡し、全部回ってニラを調達したのでした。
走って帰ってきて、玄関で包装を開け、中でも一番イキの良さそうなニラ束をつかみ、台所でアクセク刻みはじめました。 根の方はみじんに、葉の方はザク切りにして食感の変化を楽しむように配慮しました。
卵と合わせる直前になり、「たぶんこれにカツオブシを混ぜたら美味しかろうなあ」と思いつきもしましたが、あくまでも新鮮な、ニラと卵の生む調和を楽しむべく三時間かけて食材調達をしたのでないかと自分を律しました。
炊きたてのご飯の上から回しかけますと、ご飯とニラが接した瞬間、ニラの爽やかな辛味がこみ上げてきて、あわてて箸をつかんで一気にゾロゾロいきました。
混ぜすぎてはイカンのです。 黄身のコク、ニラの甘みを遮二無二噛みしめるもんなのです。
ニラは高知県が全国一の収穫量を誇るそうです、旨いモノ天国ですなー。
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15/12/29