「簡素な料理ほど旨い」
最近この想いに拍車がかかってきましてね。 この間さる広報誌に「地場特産の魚料理を掲載していただけませんか?」というお声掛けをいただきまして。
喜んで引き受けましたよ。 そして旬のイサキを塩焼きにする事を提案したところ、
「うーんもっとなんでしょう、手の込んだ華やかなものでお願いしたいのですが」
と注文つけられましてね。 もうね『目・を・覚・ま・せ!』と言ってやったんです。
魚も肉も野菜でも、旬のものは塩振って喰うのが一番旨いハズなんです。 塩焼きの、どこがいけないんでしょうか!
やれイサキでムニエル!とかなんとか洋風料理を作ったら、有難がられるもんなんでしょうか、誌面は華やぐと考えているのでしょうか。 仮にそんなの作ってほくそ笑んでたら、オフクロに「このバカタレが!」てド突かれます私。
結果思いきり塩焼きは押し通し、そして先方の希望する華やぐ系も脇に添える、という二本立てレシピにして掲載していただきました(互譲です)。
スミマセン、スープカレーと全然関係ない話でしたね恐縮です。 さて、このカレーは、簡素なつまみから派生させる一品です。
まずはこれで、しっぽり飲んでいただきたいのです。 「何してるの?」とお思いでしょう。
実はこれ、最近ハマってる皮しゃぶというアテでして、 なに単に、市販の餃子の皮をお湯の中でヒラヒラさせて、アルデンテで引き上げた後、ポン酢に浸して食べるというだけですが、妙に旨いんですよこれ。
少々ボリュームが欲しい時は、湯に鶏肉を切り入れて、トロ火にかけつつ、浮かんできたら皮でくるんでパクつきます。 ホント旨いですからやってみてください今晩。
そうこうして満足したところ、お湯が残っているハズですね。 そのお湯を、さじですくって味見してみてください。 ムチャクチャ旨味あるでしょう。
このスープを活用するというワケです。
なのでまずは鶏肉入の皮しゃぶを堪能していただきまして、スープカレーへと参ります。 何々 「そんなの食べたくない」ですと? そうしましたら、とにかく小鍋に湯を沸かし、鶏肉をサイコロに切って30分トロ火で煮てください。 これで条件は同じです。 スープだけにしか用事はありませんから、肉はサラダ等に活用していただいても構いませんし、本作の具としてそのままにしておくのもひとつのテです。
※鶏肉入り皮しゃぶの際、ショウガやニンニクを叩き潰して入れておくと無論、より風味あるスープとなります。 余談ですけど私の先輩が「ニンニク入れたら料理としては評価しない。 だって何でもニンニク入れると美味しくなるだろう」と言いましたけど、 別にイーじゃん旨いに越したものはなし! 私は大いに認めます。
さて残る煮汁へ、タマネギを薄く刻んで加えます。 ややクタッとしてくるまで静かに煮込みます。
すかさずアサリを加えまして、パカパカ開くまで煮るんです。 こんなの旨いに決まってますよね禁じ手レベルです。
最後にカレー粉を好きなだけ加えます。 味の微調整は、塩と、お好みでオリーブオイルをたらしますけど、どちらもほどんど必要ないほど味の調和はとれているハズです。
仕上げ前にまず、味見してみてください。 尚、今回はオクラが旨い時期だという事で、仕上げにパラリと散らしましたけど、こちらはお好みのトッピングで、どうぞ!
変に凝ったフリなどせず、塩焼を堂々と打ち出すことのできる硬派な情報誌こそ必要です。
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16/07/04