掌で丹念に、塩を揉みこんだ鮭を寒空の下、数か月間吊るし干しにしたものが、塩引き鮭です。 そのままつまんでも佳肴ですが、酒に浸すとまた上品です。
あいにく塩引きを年末食べつくしてしまったので、自らの手でまず塩引きをこしらえます。 寒さのこたえる1、2月頃が仕込み時ですやはり。 鮭の切り身に塩をやさしく時に強く、すりこんでまいります。
塩の量はこの先ずっと野外に干す事を考えると強めです。 まんべんなく全体をナデナデ塩をしみこませます。
さて今回2か月にわたり干し続けました。 鮭から水気が飛ぶにつれ、深味を増してゆくサーモンレッドです。
さて干しあがりました。 しなやかだった鮭の身は、樫の木のように固く締まっています。 これからまず皮をはぎますが、包丁が身に入りません。 なので指で皮のはじをつまんでじりじり引きはがす感じになりまして、 場合によってはペンチが必要になるかもしれません。
はいだ皮は、なんつったって鮭の皮ですからね、捨てるワケはありません。 炙ればクルリと丸まって、身よりもこちらがメインかも、です。
身はせっせと薄切りし、皿に並べてお気に入りの日本酒を振ります。 「びたし」というくらいですから鮭がヒタヒタにならねばなりません。 10分ほど置けば、しんなりつまみやすくなります。
更新日:23/07/08
公開日:17/02/09