オイ少年は知っていました。 仄暗い押入れの奥に、甘美な食べ物が眠っていることを・・・。
ある日家の中を探検中に偶然見つけた梅酒の入った瓶に心を奪われました。 梅干でもなさそうだし・・・。
フタを開けてみると、甘酸っぱい香りが鼻どころか顔全体を包みこみます。 まるで引きずり込まれるかのように瓶の中に手を突っ込み、 梅をひとつ取り上げて、かじってみたのでした。
「旨ー!」
一口、二口、三口あたりで何か変な気分になったことを憶えています。 そしてそのまま意識は遠のき、夜中まで目を覚ますことはなかったのでした。
これがオイとアルコールのファーストコンタクトだったのです。
梅酒を口にする度、この日のことを思い出してしまいます。 「全然お酒を飲めなかったけれど、梅酒で開眼した」という話をよく聞きます。 梅酒はお酒の登竜門だと勝手に結論づけることにして、 梅酒作りのスタートです。
まずは「梅酒を保存するための容器」を準備します。 容器を綺麗に洗い、よく乾燥させておきます。 徹底的にやるならば、トマトピューレを作るときのように、 ビンを煮沸消毒しておくとよいです。
梅はよく洗い、水気をきって、梅干作りのときと同じようにヘタをとります。 青梅がよいものです。
綺麗になった容器へ、梅と氷砂糖を交互に詰め込んでいきます。
そこへ焼酎を並々と注ぎ込みます。 よくホワイトリカーが用いられますが、それで作るよりの、自分の好きな銘柄の焼酎を注いで作ったほうが、格段に味がよいものです。
フタをきっちりと閉めて、冷暗所で保管します。 3ヶ月ぐらいしたら飲めるようになります。 梅は、1年ぐらい経過したら、取り出したほうがよいものです。
分量の各割合は、今回、梅2キロ、氷砂糖800グラム、焼酎3、6リットルで作ってみました。 そうそう変な味にはならないので、お好みで各分量を調整してみてください。
※ホワイトリカー(white liquor)は英語で焼酎のことを指します。
11/05/03