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うなぎ蒲焼
うなぎ蒲焼

うなぎ料理集

随分前の話になりますが、あの猛暑のさなか、土用の丑の日にうなぎを買いに出かけました。

うなぎ屋さんには産地ごとにうなぎの蒲焼がパック詰めで並べられていて、値段に随分開きがあります。 せっかくですもの、夏負けしないように一番高いうなぎを思い切って買・・・ったりはしません。  安いので十分です。

だって、こんだけタレまみれになってりゃ、うなぎ自体の味なんてわかりゃしないと思っているからです。 そもそもこの、いつ食べても同じ味のする、 やけに甘いタレが好きではないので、オイはもっぱら白焼きを食べています。

たとえうなぎ自体が上等でも、タレが悪いとどうしようもありません。

さてさて、そうして家族みんなで安いうなぎによる鰻丼を味わったのでした。 うなぎを食べながらフと思い立ったことがありました。 「活きてるうなぎって買えるのかなあ?」

スッポンだって買うことができたのだから、 もしかするとうなぎも買えるのでは? と、思い立ち、業者を検索して電話をしてみたのです。 すると・・・やはり買えました。 とりあえず5匹の活きうなぎを注文し、 氷を山ほど入れた発泡スチロールの箱を車に乗せて、飛んでいきました。

ウナギ(鰻)

うなぎ

これが今回入手した養殖活うなぎです。 養殖業者さんの所に着いたらすでに用意してくれていました。

5匹のうなぎは空気がパンパンに入った大きなビニール袋に入れられ、勢いよくウネウネと泳いでいました。

うなぎのサイズは「一般的な蒲焼で売られている大きさと同程度」とお願いしておきましたが、若干のサイズ指定もできるようでした。 5匹でしめて5千円弱。 安いと思いませんか?

うなぎをおろす

早速うなぎを腹開きにしようと思いますが、まずはその前に、氷の中へしばらくうなぎをうずめて仮死状態にしてください。  そうしないと、なにせ活きの良いうなぎですから素人には手に負えない状態になります。 開いている最中に暴れまくってケガにつながる恐れもあります。

おろし方はあなごとまったく同じです→アナゴのおろし方


うなぎを焼く

うなぎの蒲焼

まずはページトップのうなぎの蒲焼です。

開いたうなぎ一本を真っ二つにし、串を打ちます。 炭火で焼きながら同時に、


うなぎのタレ作り

うなぎの頭、骨で甘辛のタレを作ります。 うなぎの焼き方、タレの作り方は、 アナゴ丼鰻のひつまむし・白焼きをご覧ください(うなぎのタレの作り方)。

焼きたての蒲焼を串ごとつまみ上げ、山椒をふってからかじりつきます。 蒸さずに焼いているのでプリリとしていて、内部から脂が入り混じったエキスがあふれます。  甘ったるくないタレのおかげでうなぎ本来の上品な白身のような風味も感じられ、「蒲焼を食べるならば自分で開くに限る!」と言い切ってしまいたくなります。 素晴らしい酒肴です。

※うなぎのアラは全部使ってしまわずにのけておいてください。 あとでいい事がありますから。

うなぎのモツ一式

うなぎのモツ

さあ蒲焼を堪能したところで、その他うなぎ料理に取り掛かります。 アンコウスッポンは、 捨てるところが無い食材ですが、是非この仲間にうなぎも加えてあげたいです。

バットの中にあるのはうなぎのモツです。  だってだって だって、モツこそ美味しいものです。 是非この仲間にうなぎも加えてあげたいです。

ザッと紹介しますと、一番左がうなぎの中骨です。 キツネ色に焼いたり、揚げたりするとビールのつまみに最適です。 その右上の黒いのはうなぎのヒレです。  ひらめだって縁側が美味しいものです。 うなぎだって同じ話です。

その下にある肉は、うなぎの腹骨です。 腹骨をすきとったものです。 その右にあるのが、 うなぎの臓物です。 肝臓以外の内臓です。 その上にあるのがうなぎのヒレです。  ブリでいうところのカマにあたる部分です。 そしてその右にあるのが、 うなぎの肝臓(レバー)です。


内臓一式

うなぎのモツ

まずはうなぎのモツを味わいます。

これはうなぎから切り取った内臓一式です。 内臓のはずしかたはアナゴのおろし方をごらんください。


うなぎのレバー

レバー

内臓一式の右端にあるのがレバーで、うなぎ一匹にひとつしかありません。 今回5匹のうなぎを買ったので、レバーが5つあるわけです。  それを焼き鳥のように串刺しにして、 タレに浸し浸し焼き上げればうなぎレバーのできあがりです。

鶏のレバーよりも癖がなく、魚のレバーよりもコクがある独特のレバーです。 こんなもん旨いに決まっています。  「もう一本!」と言いたいところですが、とにかく一匹にひとつしかありませんからもう無いです。 貴重な部位になるわけです。


うなぎの肝焼き

肝焼き

うなぎのモツの、レバー以外を一緒くたにまとめて串刺しにして焼いたものです。 基本シャクシャクとした歯ざわりで、時折「もしかして今噛んだのハツ?」なんていう味もしてまさに珍味、 珍味ですなあ。


腹骨をすきとる

バラ焼き

開いたうなぎの腹骨を、まるでさんまをおろす時そうしたように柳葉包丁ですきとります。  そしてそれを串に巻きつけて焼いたものが、バラ焼きです。


うなぎのバラ焼き

口にしてすぐにわかることですが、この腹骨は、すきとる必要がないほど柔らかいものです。 骨がまったく気になりません。 いわば、このバラ焼きを食べるためだけにすきとったようなもんです。  プリプリとした食感が素敵です。 魚だって「ハラゴ」が一番旨いもんです。


うなぎのヒレ

ヒレ

うなぎを開く際にヒレをビーッと切り取りました。 そのヒレを、


うなぎのヒレ焼き

バラを刺した串にニラをはさんでからグルグル巻きにして焼いたものです。 ニラと甘辛ダレが合うことは鶏の肝煮で明らかです。


頭からエリをはずす

エリ

うなぎの頭のヒレ部分を切り取ります。 頭は固いので焼いて煮て、甘辛ダレのダシにしてください。


開いて中骨をとる

たぶんエラが見えると思いますので取り除いてから開きます。 と文章で書くのは簡単ですが、いざやってみると、うなぎですからヌルヌルしていてそう易易とできる作業ではありません。  そこでオイはキッチンバサミを使って開きました。 これなら簡単です。

開いてみると、中骨が見えますから、包丁で切り取ります。 なーに、ボンジリの中骨をとる要領です。


うなぎのエリ焼き

ヒレ部分の肉ですから心地よい歯ごたえがあります。 食べた後には骨が数片残るぐらいですから想像したよりも食べやすいものでした。


うなぎの骨焼き

中骨

中骨はうなぎを焼いている横っちょで気長にこんがり焼いていれば、いつの間にかパリパリ食べることができるようになります。


以上うなぎ料理集でした。 ネタ元は串焼きうなぎの名店「川二郎」で、美味しんぼでその存在を知りました。


うなぎ料理集のツボ

  • どの串もタレでなく、塩でも美味です。
  • ごぼうの周りにうなぎの身を巻きつけた八幡巻きなんてのもある。
  • 肝吸いも旨い。
  • 甘辛ダレの中のアラも美味。
  • 焼いている最中はとても魅惑的な香りがします。
  • 「石麻呂にわれ物申す夏痩せによしといふものぞ鰻捕り食せ」:大伴家持@万葉集

おさらい

活きたうなぎを買ってきて開き、好きなように食べる。

10/10/02


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