牡蠣はパック詰めで売られていることが多いのですが、殻付きのままの活きた牡蠣が手に入れば、是非こちらを食べたいものです。
「だって牡蠣の殻ってゴツゴツしてて痛いし、固いんだもん。 ムリ」なんてお考えのあなた、意外と簡単なものですよ。
殻つきの牡蠣はシェルとかセルガキとかいって長崎の魚屋さんでは売られていて、一個から購入できるところもあります。 シーズンになるとオイは毎日3個とか5個とかその日食べる分だけ買って帰り、自宅で殻をむいて、レモンをかけてずるずるとすすりこんでいます。
ちなみに焼いて食べる場合は、殻のままただ焼き網の上に乗せて熱すると勝手にパカッと口が開きます。
魚だって丸々一匹買ってきて自分でおろして食べるほうが切り身で売られているものよりも美味しいように、牡蠣だって生で食べるにしろ焼いて食べるにしろ殻付のほうが美味しい、とオイは考えてます。
牡蠣の殻が汚れている場合はあらかじめタワシなどでこすって洗います。
利き手にカキおこしを持ち、反対の手で牡蠣の殻を持ちます。
カキおこしは専用のものがありますが、そんなものは家に置いてないので、食事用のナイフを使用してます。 あまり鋭利なものを使用すると大変危険ですのでご注意を。
殻付きのカキは平たい面を上に、ぷっくり膨らんだほうを下になるように保持し、蝶番(両方の殻がつながっている部分)が手前になるように持ってください。
※普通、安全のために軍手を着用してカキを持ちます。 今回オイはあやまって自分の手を突いてしまい、傷つけてしまいました。
白丸部分のわずかにある殻のスキマからカキおこしを入れるのですが、その前にその部分をカンカンカンと叩いて殻を少し削っておくとやりやすいです。
カンカンやったあとに、カキおこしを殻の間に差し込みます。
差し込んだカキおこしは上側の平たい殻側に密着させ、グイグイと動かしてみると、貝柱にあたります。 これを断ち切るわけです。 さほど力を入れなくても切れます。
貝柱が切れた!という手ごたえを感じたら、蝶番のほうへ向かってカキおこしをすすめます。
そして勢いよく殻を開くのです!
こうしてようやくカキ本体が現れたのですが、牡蠣本体は、下側の殻にも貝柱でつながっていますので、それを切り取らねばなりません。
上の殻がないので目視で丸い貝柱を確認できます。 その貝柱にカキおこしをあてて、こするようにしてカキ本体をはずすのです。
貝柱一点のみで殻とつながっているので、カキの身をすこし起こしてからやると作業しやすいです。
カキの身をとりはずすときは、その下に薄い塩水を作っておいて、その中にポチャンと落ちるようにしてやるとダメージがありません。 残ったカキの殻には、牡蠣が新鮮であればあるほど牡蠣のエキスが たまっているかと思われます。 これは捨てずに、取り外したカキの身をまたこの中に入れて、レモンを絞り込み、ズ、ズズジュルッとエキスごとススリこみたいものです。
取り出したカキは大根おろしで洗ったりして活用します。
以上です。 くれぐれも怪我に注意してください。 近々動画を追加しようと計画中です。
広島は、何と云ったって「カキ」である。
カキは一体どうして喰べたらうまいだろう、などと思いわずろうことなどまったくないほど完全な地上の(いや海中の?)珍味であって、アイツは、ただコツコツと殻の一部を叩きこわし、そこに金梃子をさし入れて蓋をはずし、 レモンを少々しぼり入れ、液汁もろとも、口のなかに啜り込めばそれで終わる。
そのまろい舌ざわりも、甘味も、贅沢なほどの複雑なイキモノの味わいも、そこに尽きる(檀 一雄『美味放浪記』より)。
08/2/15