牛があんなことになった今日、豚肉はスターであり、我々の大事なパートナーでもあります。 せっかくだから、普段なにげに食っているあの肉は一体どの辺の肉なんだろうとか、 あーこれこの辺についているんだとか いうのを知ると、美味しさもまた違ってくるかもしれません。 そんな思いを込めて、微妙な図を用いた豚肉分布図をメモしておきます。 これを作るにあたり、 普段から大変お世話になっている小学館の食材図典 を大いに参考にさせていただきましたことは言うまでもありません。
イスラム教やユダヤ教徒は豚を食べない。 なんでか? それは豚が人糞さえ食らう不潔な動物とされていて、寄生虫を媒介する。 だから宗教上の戒律として、 豚を食べることを禁じた。 という一般的な説明がある。
しかしこのような新説がある。 アラブ人もイスラエル人も、穀物の栽培を始めるまでは、豚を飼育して食べていた。 牛や羊、山羊の骨と一緒に、豚の骨も出土するらしい。 やがて人々は家畜の肉よりも穀物のほうがエネルギー効率がよく、より多くの人間を養えることに気付く。 家畜が飼育されていた森林は削られて農地に変わり、小麦や 大麦が栽培されはじめた。 ただ、牛、羊、山羊は人間が食べない草を餌にしている。 だからそのまま家畜として残った。 さらに牛は牛乳を出すうえ荷物を運ぶし、 山羊も乳を出すし羊毛は衣類になる。 そのような意味でも役に立つ動物だった。
しかし豚は違う。 役にたたないうえに草を餌とせず、人間と同じように穀物や野菜、イモを食べるわけだ。 要は、豚と人間が競合するようになった。 豚だけコスト が高くつくし、メリットも少ない。 このような理由により、豚は排除されるようになったとか。
-読むクスリ19より-
青梅畜産センターが、都市農家の生き残り策として10年前に開発した。 脂身の質がよい中国北京産の黒豚と、 肉質がきめ細かいバークシャー、さらに霜降肉のできやすいデュロックを5世代にわたりかけあわせた品種。 エサは主に大麦。
朝日新聞「be」日曜版より
06/04/20