我が家の4人の子供たちは皆、同じ産婦人科で生まれました。
産婦人科へ出向き、生まれたばかりのわが子に会うのはうれしいものですが、 カミさんが、今日はどんなごちそうを食べているのか?をチェックするのも楽しみのひとつでした。
毎回おやつに出されるパンがあまりにもよくできていて、おいしくて、しょっちゅうつまみ食いしていたところ、そのパンは先生の奥さんが手作りしているパンだということが4人目の子の時わかりました。
おいしいおいしいと絶賛していたところ、是非今度一緒にパンを焼きましょう、とのお誘いを受けて、 天然酵母を使ったクルミパンの焼き方などを見学させていただきました。
今回のバターロールは、奥様直伝の作り方です。 題して、「産婦人科マダムのバターロール!」そのまんまですね・・・。
まずはぬるま湯を75ccご用意願います。
気になるぬるま湯の温度は・・・40℃でお願いします。
ぬるま湯の中へ砂糖を小さじ一杯加えて溶かしてください。
ぬるい砂糖水へドライイーストを小さじ2杯加えます。 ちょっとかき混ぜた後注意深く観察してください。
5分ぐらい経過すると泡立ちはじめて、12、3分した頃には倍ぐらいに膨れているハズです。 その様はまるで、次男の好きな谷川俊太郎の絵本『もこもこもこ』を見ているようです。
これにて予備発酵の完了となります。
※50℃以上の湯を用いると、イーストがダメージをうけて発酵力が弱くなります。
ボールに強力粉300g、砂糖30g、塩5g、卵1/2個、 ぬるま湯100cc、そして予備発酵させたドライイーストを加えます。
ぬるま湯はいっぺんに全部注いでしまうのではなく、生地の固さをみなが加えてください。 麺作りの時と同じです。
生地を徐々に混ぜ合わせ、こねていきます。
全体がほどよくまとまってきたら、バター45gをちぎり加えながら少しずつ混ぜ合わせていきます。
そのうち生地がボールにも、手にもこびりつかなくなってきますので、そうしましたらボールから取り出して打ち粉を振った台の上にドーン!とめいっぱい叩きつけます。
驚きを隠せない様子の生地をむりやりつかみ上げ、たたみこんでから再びドーン!と力いっぱい叩きつけます。 この作業をしばらく繰り返すのですが一体何回ぐらい生地を投げ続けるのでしょうか?
答えは216回、除夜の鐘の2倍にあたる回数です。 要所ですので遮二無二やりこんでください。 いわゆるひとつのエクササイズだと解釈すると楽です。
苦行を終えた生地は悟りを開いたかのようにツルリ平然とした姿をしているハズです。 こねあがりの生地の温度は28℃ぐらいが望ましいといわれますが、 計測しなくてもあれだけ打ちこんだんですもの、そのぐらいになっているハズです。 現に何度作って計ってみても28℃でした。
なめらかな生地を大きめのボールに入れてラップをかけまして、1時間ぐらいほったらかしておきます。
次に見る頃には目の錯覚か、おもわず「鉄雄っ!?金田ァー!!」と口から出るほど膨らんでいるハズです。 2倍から3倍ぐらいでしょうか。 ですから、大きめのボールを用意したいところなのです。
人差し指を突き刺してみて、穴がそのまま残るようでしたらグッドです。 次に進みましょう。 弾力があり、穴がすぐ戻るようでしたら発酵不足、バッドです。 今しばらく待ちましょう。
無事一次発酵を終えた生地に軽くパンチをしてガスを抜きます。 たしかにガスが抜けた感触がします。
ガス抜きをした生地を8等分とか12等分に分けて丸め、バットにでも並べてから上からフキンをかけて、15分ぐらい休ませます。 これをベンチタイムといいます。
休ませておいた生地をしずく形にまとめまして・・・
上から麺棒をすべり転がすと、細長い三角形に伸びます。
幅広のほうから転がしてまとめると・・・
見慣れたバターロールの形になります。 巻き終わりを下にして、油を引いた天板の上に間隔をあけて並べまして、2次発酵させます。
30分ぐらい置くと、倍ぐらいに膨らみますから、ツヤ出しするための溶き卵をハケで薄く塗りつけてから200℃に熱したオーブンで15分ぐらい焼きます。
焼きたてのバターロールはもちろん、冷めても美味しいものです(ページトップ画像)。
※油のかわりにオーブン用シートを用いると便利です。
10/05/30