節分。 オイにとっては豆まきでなく、恵方巻きでもなく、ガッツです。
ガッツとは、カナガシラという魚の別名です。 全国どこでもガッツで通じるのかと思いきや、ガッツという呼び名は長崎独特のものだと最近知りました。
鉄仮面をかぶったような独特の顔をしていて、足のようなものが生えていたりするヘンテコな姿をしておりますが、とある部分が絶品なんです。
これが調理前のカナガシラです。
カナガシラを節分に食べるとお金がたまると長崎では言われていて、煮付けたりして食べます。 節分には子供の頃からよく食卓にのぼりました。
ウロコをかいて、ワタは取らずに、醤油、 みりん、酒、ショウガなどで煮付けにします(参考:サバ、イワシの煮付け)。
実はこのガッツ、ハラワタがやけに旨い魚なんです。
箸でつかんでいる部分がハラワタなのですが、キモやウキブクロやその他諸々、とにかく腹の中にあるものは全部美味しいんです。 エラすらも表面にヌラヌラした部分があって旨いのですから、 「ハラワタを食べる魚」だといっても過言ではないような気もします。
旬の時期(冬)は、身もそこそこ美味しいのですが、それ以外の時期はポサポサしています。 小骨も多いですし・・・
子供の頃、ガッツの煮付けを食べる時はいつも「小骨が多いから」という理由で、まず親父が頭と腹周辺を食い、 その残りをもらっていました。 子思いの親父だと思いきやなんのその。 自分だけ旨いワタを食べ、 身は子供に食わせていたのです。
ガッツの煮付けを作るときには、鍋いっぱいに仕込んでいたのでそりゃもういい酒の肴になっていたことだと思います。 この件を大人になって親父に問い合わせたところ、知らんフリされました。
煮付け以外では、鍋仕立にすることもあります。 ハラワタ部を避けてブツ切りにして、
鍋に入れて酒を張り、醤油、みりん少々で味付けしていただきます。
やっぱりここでも、ワタが旨いんです。
更新日:23/07/12
公開日:11/02/24