昨年末に作ったビーフシチューが大好評を得ました。 「いつも通り作ったのに何でかな?」しばらく理由を考えていると、 あるひとつの事柄が浮かびあがりました。 それは「いつもよりも多めに赤ワインを使った」ことです。
製作過程で、ワインを1本分多く注ぎ込んで煮詰め、調理したのです。 これにより洋食屋さんのシチューみたいな独特の風味がかもし出されたのでした。 だからビーフシチューを上手に作るコツは、 赤ワインを多めに使うことだと今考えています。
その効果の程は、
「あなたのビーフシチューを劇的に美味しくするたったひとつのコツ」という大げさな見出しをつけて、記事にしてしまいたいぐらいですがやめておきます。
さて、今回作る「牛の赤ワイン煮込み」は、「赤ワインがそんだけシチューを美味しくするんだったらいっそ、ワインだけで肉を煮込んでしまえばさぞ旨いのではなかろうか」という 思い付きをレシピにしたものです。 作り方は、「ビーフシチューの製作過程の一部」です。 ということは、牛の赤ワイン煮込みから、ビーフシチューへ発展させることも可能だということです。
でありますから、今回のレシピは「ある日ビーフシチューを作っていて、ついうっかりスープを入れ忘れたために鍋が煮詰まってしまい、 使い物にならなくなったと思いきや、せっかくだしということでつまんでみると、 これがまた美味しかったことに由来する」とか、
「ビーフシチューを作る際、コックさんたちの『まかない』から作られるようになった」という、自作自演のストーリーをくっつけとくことにします。 これでよりいっそう美味しく感じられることでしょう (ならないか)。
バラモモスジ、どこでもよいので好きな部位の牛肉をたっぷりと用意してください。 コツは安っすい肉を使うこと、です。 ちなみに今回はグラム100円の牛バラ肉です。
そんな牛肉をビニール袋に入れて、上から赤ワインをドボドボドボと注ぎこみます。 ワインも安いので構いません。 一緒に適当に切ったタマネギ、ニンジン、セロリ、お好みでニンニク等放り込んでおきます。 まさにビーフシチューの仕込みのようです。 ここまま口を閉じて、2日ばかり冷蔵庫内にほったらかしておきます。
さてうっかり肉のことなぞ忘れてしまっていて、3日目に冷蔵庫からワイン漬けの肉を取り出してきました。 口を開けて肉や野菜をザルにうけ、ワインはボールにためましょう。
鍋にオリーブオイルを引いて、よく水気を切った野菜を炒めはじめます。 中火程度でじっくりと、野菜がクタッとなるまで炒めます。
続いて水気を切った肉を投入し、野菜と炒め合わせます。
肉に焦げ目がついた頃、ボールにためておいた赤ワインを注ぎこみます。 肉が水面からはみ出るようであれば、ボトルからワインを注ぎ足します。 強火にして沸騰するまで煮込みます。
沸騰すると「モワァー」とアクが浮かんでくるのでいちいちすくい取ります。
弱火で、肉が柔らかくなるまで、2〜3時間ばかり煮込みます。 汁が煮詰まりだして、すこしトロッとしてきたころ、塩、胡椒で味をつけます。 たったこれだけで味がピシャリと決まります。
※汁をサラサラに仕上げるか、それとも煮詰めるかはお好です。
スジばっていた肉がホロホロに柔らかくなります。 肉にはワインの風味が染みこんでいて、ワイン飲みながら食べるのが大好きです。 ニンジンやドロドロのタマネギには牛の旨みが入り組み、とても美味しいものです。 ご飯のおかずにもイケますよ。
今回は肉塊のまま煮込みましたが、サイコロ状に切り分けてから煮込んだほうが食べやすいかもしれません。
11/01/11