「フレッシュウォータートラウト」 、「スイートフィッシュ」。
いかにも美味しそうな名でありますところ、どちらも日本の名産魚「鮎」を指す英名です。
その端正な顔立ちからして好きです鮎。 こないだ銀座の料理屋で飲んでいた時の事、いきなり可愛らしいサイズの鮎の一夜干しが出てきまして。
「綺麗ですねー、でも一枚一枚仕込むの大変でしょうね」と伝えたら、
「そうなんですよーでもお客さんの評判良いから」とニヤついた店主でしたがいたたまれなくなったのでしょう、すぐに自らネタをバラしました。
毎週、彦根の木村さんから送ってもらってるんです!
と。
これですこれ、一夜干し! もちろんそのままサッと炙ってつまんでも絶品ですけどね、今回はマリネした後焼こうでないかという魂胆です。
香魚という美称もある通り、そもそも鮎は薫り高い魚ではありますが、今回その薫りをオリーブオイルと香草で増幅させようかと思いましてね。
一夜干しをローズマリーと一緒にオリーブオイルへ沈めて半日ばかり冷蔵庫で寝かせます。 このようにビニール袋を使えばムダなく仕込めます。
あとはオイルを切って、焼くだけです。 つい「Yummmmmmy!!」と口走りたくなっちゃう黄金色がステキです、レモンを絞り込んでどうぞ!
「私たちが鮎ちゅうたらね、やっぱり子持ちの鮎をすすめるけどね」
と、あゆの店きむらの木村社長はおっしゃいました。
そう聞けば食べてみないテはありません、早速取り寄せたところ何でしょうこのムッチリ感! すかさず塩焼きにしたのがページトップの画像なんですがね、 ワタのホロ苦さに真子のプリプリがもう・・・熱燗が進むちゅうか一升開けちゃいましたね。
見てくださいこの断面! 真子もうパンッパンじゃないですか。
今回子持ちさんをコンフィにして正月まで保存しとこうと思いましてね、おせちに詰めちゃいます。
まず鮎に軽く塩をして、半日ばかし冷蔵庫で寝かせます。
水気が出てくるハズですからそれをふいて、
鍋にオリーブオイルをたっぷり張り、鮎を沈めてトロ火にかけるんです。
この際油温が最重要で、80度を超えてしまわぬよう気配りする必要がございます。 それ以上高温になると、身がポサついてオジャンとなります。
対策としてはタップリ油を張る事で、すると急激な油温の変化がなくなります。 時折温度計を当て、高くなりすぎたら火からおろしてしばし待ち・・・下がったらまた火にかけて・・・というように職人技的調理工程を楽しんでください。
煮続ける事三十分、ついにコンフィの完成です。 この状態のまま冷蔵庫で保管しておけばそうですね、半月は優に持つハズです。
鮎を油から引っ張り出してはかじりつくのは爽快です!
コンフィを焼くのもオススメです。 フライパンをよく熱し、オリーブオイルを引いて今度は弱火に落とし、鮎コンフィをじっくりカリリと両面焼きにするのです。
おろしキュウリといっしょにつまめば何ちゅうんですかね、鮎を喰うならコンフィに限る!と断言したくなります。
頭から尾まで、丸かじりでどうぞ!
今回使用したオイルは全て、株式会社イスコさんによるエキストラヴァージンオリーブオイルです。 こちらにはIO(イオ)というやんごとないオリーブオイルもありまして、 当初はそちらを用いるつもりでしたが「それだとちょっと強すぎるかもです」と助言してくださいましたのが、そのイスコの五十貝 京子さんでした。
そこでマイルドな風味のトルコ産のエキストラヴァージンオリーブオイルであるゴールド・オブ・トロイに辿り着いたのです。
琵琶湖の恵みを世界に発信しておられます。 原料の鮎から育まれておられますからね、鮎といったらきむらさんしか、ありません!
何せオリーブオイルソムリエですからねー、五十貝京子さんは! オイルについての疑問がありましたら是非、味百選会場のイスコさんまでどうぞ。
鮎×オリーブオイルの妙を楽しむのだった。
15/11/03