餃子屋の柚子胡椒、やきとん屋の練りからし、カレー屋の福神漬け…料理に添えられている薬味にとても興味があります。
こないだ入った台湾料理の店ではどの料理を注文しても「この秘伝のタレでどうぞ」と黒い液体の入った小皿が添えられてきて、
ひと舐めしたとたん、甜麺醤に紹興酒を溶いて市販のニンニクペーストを入れたものだな、という事が分かってスッキリしました。
上の立派な丸腸に添えられたものは店員さんに聞くと「辛味噌だ」との事でしたが、味見してもちっとも辛くありません、むしろ甘いくらいで一体これのどこが丸腸と合うのだろう、といった謎の味噌でして。
いくら考えても味の調合が思い浮かびませんでした。
この甘さと色味はもしかしてすりおろした人参かも? と帰宅し試してみたら似た質感に仕上がりはしたものの、やはり別物で納得いかず地団太でした。
さて今回の七味です!
七味を知らぬ人はおりませんが、「練」とは何でしょうか。
これは京料理の店で遭遇した薬味で、絹ごし豆腐にチョコと乗せられてありました。
つまんでみると、とても鮮やかな香気にあふれしっとりとした口当たりで後から確かな辛味が突き抜けどんな料理ともよく合いそうです。
「七味を練るとは考えましたね!」と店主に言えば、
「何購入したものです」と返されました。
「練り」というには水気が必要ですよね。 あのパラパラとした七味を一体どうやってウェットに仕上げるのか?
これはとても分かりやすい味だったのですぐにその製法が思い浮かびました。
まず生姜で、すりおろしてこの七味の下地となってもらいます。 次に柚子の皮をせっせとおろします。 これがあたかもたった今造ったかのようなフレッシュ感を生みだしているのです。
あとは粉唐辛子、山椒、青のり、黒ゴマといったところは七味におなじみの面々で、塩を加えて味をひきしめ保存性を高めます。
よく混ぜ合わせたら空き瓶にでも詰め冷蔵庫で保管します。
刺身、ラーメンに、炊きたてごはんに乗せてもしっかり美味しいスグレモノな薬味です。
19/03/14