数年前東北の酒場を訪ねた折、入るなり柱に巨大な数珠が無数にぶら下げられており、何かと思って近づいたら柚子の干物だった、という事がありました。
よく居酒屋の壁に魚の骨をカラカラに干して飾っていたりしますが、てっきりこれもそのテのオブジェがと思ったら、歴とした食べ物である、というのです。
これが私とゆべしの最初の出会いでした。
もしもこの柚餅子(ゆべし)が市販されていたならば、思わず買い占めたくなるほど美味しいですよ(自画自賛)。
レシピとして菓子のカテゴリに入れましたが、もちろん酒肴としても最高です。 ゆべしひと切れの満足度は、からすみのそれを超越した喜びを与えてくれます。
お茶請けにするなら砂糖を多めに、肴とするならゴマと唐辛子をしっかりめ、というように作り手の想いでどんなタイプのゆべしでも生み出す事ができます。
噛めばしっとり上品で、舌の上で柚子の薫りが広がり、奥にピリッとしたパンチがあって、日本酒のつまみとしてはこれ以上のものは無いと断言したくなるほどです。
これはぜひ、日本三大珍味(ウニ、からすみ、このわた)に加えるべきでしょう否、ゆべしを加えて四大珍味と改めるべきです。
こんな作り方もあります。
公開日:21/01/30