友人と二人初めて入る居酒屋で飲んでいたときのこと。 目の前の器がならぶ棚の一番上に、ドデカい酒瓶が二つ並んでいるのを発見。 しかも 底になにか沈んでいるなと。 ん? 蜂か。 スズメバチかーっ! と興奮をあらわにし、版画製作中の棟方志功先生のようにひとりテンションのあがったオイは友人と抱き合い、 酒にスズメバチが入っている物のどこに反応したのかがわからない友人は、やや迷惑そうにオイを突き放したのでした。
自分でもスズメバチ酒のどこに反応したのかはよくワカランが、とにかく興奮したわけで、早速店の大将に飲ませろと交渉をする。 そうしたらその 大将は「非売品です。」とぬかす。 いや非売品かもしれんけど、そんなに沢山あるんだったらおちょこ一杯ぐらい飲ませてくれたってイイでしょう。 と、 しばらく交渉を続けているうちに、その酒はスズメバチを生きたまま捕獲し、焼酎に漬け込んだものだということ。 大将の大分県の知人にもらったものだということ。 3年ものだということ。 どうしてもオイには飲ませたくないということがわかった。
ここまで頼んでも飲ませてくれないのならばもうイイ。 頼まんもんね。 とオイが腹立てたちょうどその時、その店のどデカい女将さんが重々しい口を開いたのでした 。 「イイじゃーないのアンタ。 少し飲ませてやりなさいよ。 また貰えばイイでしょうがまったくこのケチくされ。」この女将さんの一言がよっぽど効いたらしく、 ショットグラスに2杯、スズメバチ酒を注いでくれたのだった。
飲んでみる。 フツーに焼酎だった。 べつに苦くもなく美味くもなく。 ただ少しコハク色がかっているということぐらいしか感想がなかった。 でも スズメバチの入った酒を飲めたというだけで、オイは満足なのでした。 その後この店が気に入り今でもちょくちょく通う常連になったわけですが、行く度にスズメバチ酒 を飲ませてもらっていてもなんだか申し訳ない。 ならば自分でスズメバチを捕獲して作ってしまおうと決心したのでした。
右の白いマッチ棒(一応子供の身長大)が立つあたりに道があるわけです。 一体この巣にはどのくらいのハチが内臓されているのやら。
まず巣に一か所だけ空いている出入口の穴にムーズ状の殺虫剤を噴射して塞ぎます。
続いて巣にノズルの長い殺虫剤の針を差し込んで噴射し、内部のハチの息の根を止めます。
そして巣の周りを飛んでいるスズメバチをネズミ捕り用の粘着駆除剤を振り回してキャッチして捕獲し、ほぼ居なくなった所で巣をビニール袋で覆い、巣の根本へコテを差し込んで落とし巣を確保します。
06/04/04