初めての店に入って気になるメニューを見つけた時の喜びは格別です。
こないだの活魚系居酒屋では「焼きカマンとビワの白和え」というソソルメニューを見つけ、勇んで注文してみたら、ちょっとアレなのが出てきましてね。
固く絞ったざる豆腐の上にバーナーで焦げ目をつけたカマンベールが乗っており、その上に八つ切りのビワが散らしてあるんです。
「へぇ」
と思いながら口に入れたら見事に味がバラバラで。
調和とは程遠くたぶん何かの間違いではないかという組み合わせだったんです。 たとえば練りゴマとか何か入れ忘れてるんじゃなかろうか、という雑な作りにあたかも逃げるように店を後にしたのでした。
以前は、入った店がちょっと好みでなかった時でも腹をくくって終いまで飲んでいたのですが最近は腰が軽くなってすぐチェンジするようになりました(笑)。
だって私にとっての晩酌はその日のエンディングですから、心地よく幕を閉じたいんですもの。
気を取り直して向かったのは、近頃話題のビストロです。
目に止まったメニューはセビチェ。 例の魚介系マリネ的逸品です。 ところがこの店のセビチェは鶏、しかもナンコツで作られておりすこぶるワインとよく合いました。
「あのー、ところでセビチェの定義って何でしょうね?」と店主に聞いてみたら
うーんそうですね、シェビシェビしてたらセビチェで良いんじゃないですか(笑)
と返ってき、料理に対する向き合い方に大変共感を覚えて固い握手を交わしたのでした。
よく「〇〇という料理にはコレが必ず入ってないといけない」
みたいな事をしゃっちょこばりながらわざわざ言う人がおりますが、仮にそうだとしても作り手が〇〇だと言っているんですからそれで良いじゃないかと思うんです私。
鶏のナンコツ、といいましたけど別に皮でも肉でも美味しくできました。 まずナンコツに片栗粉をはたきます。 鍋を中火で熱してオリーブオイルをたらし、刻みニンニクを炒めまして、香り立ったらナンコツを加え、じっくり表面がカリッとするまで転がしながら気長に炒めてまいります。
塩・胡椒を振りましょう。 ひとつつまんでみて「オッ!」という味がしたら酒(白ワイン)をダーッと入れて軽く煮詰めます。
火からおろしたら冷蔵庫に入れてよく冷やし、食べる寸前器に盛ります。 レモン汁を思い切りたらしこんで、カリコリいただきます。
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19/06/01