友人とさんざん飲み歩いたあげく、さすがにもう帰ろうと交差点でタクシーを待っていた時の事でした。
気がつけば中華料理屋のカウンターに二人腰掛けているではありませんか…一体どういう流れでこうなったのかは見当つきません。
しかも間を置かず、餃子が一皿運ばれてきて、「これオマエ頼んだ?」と相棒に聞けば知らぬと半分眠っております。
あたりを見渡せば、初めての店ですねココ。 お客は我らの他一名。 厨房には調理人が二人。 壁のメニュー札にはおびただしい数の品々がずらり。
「中華そば」の文字につい反応せずにはいられずに、ひとつ注文してぬるいビールを飲みながら運ばれてくるのを待ったのでした。
なるほど昔ながらのラーメン、というよりも中華そばです。 一口ススッた瞬間酔いがサッパリ覚めてしまいました。 美味しすぎるのです。
誤解を恐れずに言えば「上質な家系らーめん」です。 スープはコッテリアッサリでキチンと飲める塩加減。 麺はモチリとした中太。 トッピングの潔さ。 どれをとっても只者ではない店です。
厨房に向かってとっさに「このラーメン凄いですね!」と伝えたら、ノーメイクのマツコさんみたいな主は、ネギを刻みながらこちらを向きもせず 「わかる人がまだいたのか」と二度つぶやいたのでした。
まず下の通りに作ってみてください。 これを書いている今まさに、仕込んでいる最中です!
丼の表面は湯気も立たぬほどびっしりラードで覆われておりますが、いざ熱々のスープを飲むとしつこさがありません。 程よい味加減で飲んだ後にススれば完飲必至です。
鍋に水を張り、背脂と鶏ガラを入れたら2時間グラグラ煮るのです。 この際ショウガとネギをドッサリ入れるのをお忘れなく。 これぞクドくないスープの秘訣です。
煮ていると、次第に背脂は原形を無くしながらスープへ溶け込んでゆくでしょう。 完全に溶かしきるには4時間以上必要ですが、何2時間煮れば、そのエッセンスは十分抽出できますので。
水カサが減ったらその都度お湯を足します。
スープをこして、醤油とみりんで調味します。 今回の分量で、およそ1リットルのスープを作るのが目安です(濃度はお好みにもよります)。
茹でほうれん草と刻みネギ、
おなじみチャーシューと、メンマです。
博多ラーメン系の細麺は合いません。 ぜひ味噌ラーメンに用いるような中太モチムチ麺をご用意ください。
手打ちなら最高、市販品ならインスタントの生麺系を使われるとすんなり合います。
麺のストレート、縮れは問いません。
スープを火にかけているかたわらで麺を茹で、トッピングを手元にズラリと用意して、温めた丼にネギを入れてサラダ油をたらします。
なんで香味油がサラダ油かというと、味のジャマをされたくないからです。
麺の茹で上がりに近い頃丼にスープを張り、よく水切りした麺を入れていなします。 トッピングを素早く盛り付けたらはい完成。
更新日:23/03/01
公開日:17/12/31