近頃ようやく「ラーメン熱」もさめてきました。 だからこそ今、ラーメンと冷静に向き合えると思います。
うちでは毎年年末にラーメンを仕込んでおりまして、大晦日の今も味の最終調整をしているところです。 今年のテーマは、長浜ラーメンです。
一歩引いてラーメンを想うと、初めて食べたときに衝撃を覚えた「元祖長浜屋」のラーメンがうかびます。
もう何年も口にしていませんが、あのラーメンこそが、ムダのない「豚骨系ラーメンの究極系」に思えて仕方がないのです。 よりまして元祖長浜屋に畏敬の念を抱きつつ製作スタートです。
「九州男児ならばゲンコツたい!」ということで豚の大腿骨、 通称ゲンコツを大量に用意して煮出します。 下処理についてはラーメンの作り方に詳しく記しておりますのでご一読をどうぞ。
豚の頭を入れたり、 モミジを入れてみたりという小細工を一切行わないのが今回のポリシーです。 ゲンコツのみをニンニク、ショウガ、ネギと共に20時間煮出して白濁スープを抽出しました。
今回、禁断の秘儀を使います。 といいましても特別なことではなく、化学調味料を使用するのです。 ぷちぐるではラーメンはおろか、全レシピにおいて化学調味料を極力使用しないことをポリシーとしておりますが、 今回だけは話が別です。
思い描く味をかもし出すには、化学調味料が不可欠なのです。 濃厚ゲンコツスープにドッサリ加えてかき回し、味見してみて納得です。 どこかなじみのある旨みあふれるスープの完成です。
いつものようにパスタマシンで自家製麺を打ちました。 専用カッター1.0を用いた細打ちストレート麺です。 各割合は「小麦粉、強力粉各1キロ」「塩、重曹各20グラム」「水700グラム」です。 茹で時間35秒のバリカタ仕様です。 麺の打ち方はパスタマシンで自家製麺をご覧ください。
小細工無用です。 塩分29%の塩水に薄口醤油を合わせて塩辛い液体を作ります。 これが今回の醤油だれでありまして、ゲンコツスープと混合して多様なニーズに合わせた味をかもし出します。
醤油だれはラーメン完成後も食卓にのせておいて、替え玉の際や「ちょっと味が薄いかも」と思ったときにバンバンたらします。
小細工無用です。 豚の背脂を煮てラードを抽出します。 はいこれが今回用いる香味油です簡単です。 すぐに固まりますので使用の際は火にかけて液体に戻します。
豚バラブロックをゲンコツを煮出す際に投入しておいて、クタッとするまで煮ておきます。 この何の変哲もない「煮ブタ」が今回用いるチャーシューです。 盛り付けの際は厚切りにして丼にずらりと並べたり、はしません。 グズグズになりかけたチャーシューというか肉片状態のものを形としてトッピングする程度に使います。 でしゃばってもらっては困るんですチャーシューに。
煮たまごはおろか、海苔やメンマ、 茹でたほうれん草なんてもってのほかです。 男ならネギ一本で勝負です。 長ネギを大量に刻んで用意します。
以上役者は出揃いました。
丼の湯を捨ててラードをたっぷりと注ぎ、醤油だれを流します。
そこへすかさず熱々のスープをザルでこしながら注ぎ、茹でたての麺の水気を徹底的に切って落としいれます。 神業のごとく早業で麺をいなし、チャーシューを乗せてネギを散らします。
急いで食卓に運ぶと2011年版年越しラーメンの完成です。 即すすりむともう、イメージ通りの味に大晦日早朝からエキサイトです。
これにて本年のぷちぐる更新を終了いたします。 今年一年、まことにありがとうございました。 来年もどうぞよろしくお願い申し上げます!
長浜風ラーメンを自作し、年越しラーメンとする。 真の長浜ラーメンを味わいたい方は、是非一度「元祖長浜屋」へどうぞ。
11/12/31