とある人気つけ麺屋さんの行列に並び、ようやくカウンターにこしかけ、注文をし、マイつけ麺が運ばれてくるのを待っていました。
カウンターの向こうではスタッフが忙しそうに調理をしています。 麺を茹でている人、スープを煮詰めている人、トッピングを準備している人、はやくも明日のスープを仕込んでいる人等。
その様子をぼんやりと眺めながら「プロの仕事って美しいなあ」としみじみ感じ入っていたところ突如スタッフの一人が声をかけてきました。
「ラーメン屋さんっすか?」
「は、いやぜんぜん違いますけど」自分ではぼんやり眺めていたつもりが、中の人から見ると技術を盗んでいるように見えたのかもしれません。 イヤでもオイはただぼんやりと・・・でもそう聞かれたことは事実なのでそう見えてしまったのでしょう。
そういえば確かにさっき、鶏の足(もみじ)を大量に流水にさらしているところを見たときは「オイも今度からつけ麺にもみじ入れようっと」と思い浮かべてしまいました。
たしかにこれは技を盗んだ事になるのかもしれません、いやそういうことになるのかもしれません。
ていうか、この前の休みに早速もみじとゲンコツで抽出した濃厚スープでつけ麺を作ったばかりでした。 速攻実行に移していたわけです。 やはりあの瞬間、オイはあたかもラーメン屋さんっぽい目つきをしていたのかもしれません。
さて今回は、少々張り切りすぎて、買いすぎたモミジをどうしようかと思案した挙句の一品です。 飲まずにはいれなくなる一皿です。
これが鶏の足、通称もみじです。 普段よく食べる鳥ももの先には本来もみじがあるのです。
丸鶏(中抜き)を買ってもきても、 モミジは切り離されているので目にする機会はありません。 肉屋さんで「もみじってありますか?」とたずねたところ山のように持ってきてくれました。 1キロぐらいで200円ぐらいでした。
もみじには鋭いツメがあります。 これをひとつひとつ切り離しておきます。 ひとつのもみじで3箇所切り離さなければならないので結構面倒です。 途中からオイは出刃包丁を持ち出して、 トントントントン切り落としていきました。
ツメを切り取ったもみじは熱湯にくぐらせてゆでこぼします。
ひと煮立ちさせたらザザーッと茹で汁を捨ててしまうのです。
再び鍋にお湯を張り、叩き潰したニンニク、ショウガ、さらにネギでも加えてコトコト1時間ぐらい煮込みます。
1時間ぐらい煮込み、煮汁が若干減ってきた頃に醤油、みりん、 老酒、八角、唐辛子等を入れて煮詰まるまで1時間ぐらい煮て、モミジがプルンプルンになったらできあがりです。
トロットロになったところを素手でかぶりつきます。
※焦がさないようご注意ください。 水気が減りすぎた場合はその都度足します。
以上鶏の足を中華風に煮て食べました。 見た目がすこしアレなので、カミさんはかなりの拒絶反応を示しましたが、いざかぶりついてみるとその美味しさに納得したようです。
以外にも次男(4歳)がハマりこんでしまって、ひとりで8つのモミジを平らげました。
豚足があれだけ美味しいのですからモミジもそうに決まっています。 もみじはスープをとるだけでなく、食べることもできるのでした。 豚足も旨いものです。 豚の足と耳や豚足もお試しください。
09/11/16