檀さんがおっしゃるには、
日本人は大変清潔で美しい料理をつくったり、食べたりするのには妙を得ているが、肝腎(形容ではない)のところを捨てたがり、 舌だの、足だの、しっぽだのになると、これを恐れおののく風がある。
と、書いておられます。 同感。
居酒屋でトンソクなんか注文してかぶりつこうものならなんかこう、冷ややかな目で見られる場合があったりします。
カルシウムベーコンなんかガリガリ食っているクセして、豚の耳なんて見せようものならば、悲鳴をあげられそうな勢いであります。 レバ刺しを注文しようものならば・・・・・・・
長くなりそうなのでこのへんで料理開始。
1、さて、豚の足、耳を買ってきて、まだ毛がついているようだったら剃刀でそり落とし、残った毛は焼いてしまいます。 ちなみに今回の耳には毛はありませんでした。
2、次は塩、酢をつかって耳、足をたんねんにもみ洗います。 塩、酢にあわせてさらにおからを使うのも効果的。
3、鍋に水を張り、下茹でをします。 豚足は3、40分煮たあとに。 豚耳は2、20分煮た後に一度お湯を捨てて、また水を張りなおします。 これは油のしつこさを取り除くための作業で、脂っこいのがニガテな方は、2、3度茹でこぼします。
4、下茹でしたあとさらに水煮し、柔らかくなったところで引き上げます。 オイは油っこいものが好きなので、 下茹では一度だけ行い、あとはニンニク、ショウガ、長ネギをほうり込んだ鍋でさらに40分茹で上げました。
5、ゆであがった耳をせん切りにして、酢醤油で食べます。 この際、酢醤油に胡麻油を2、3滴たらしておくと素敵です。
又、下の豚足のように味付けをしても美味。
※フランス式に仕上げる場合は、一度下煮した豚耳を、もういっぺん水煮する際に、タマネギ、ニンジン、ニンニク、クローブ、月桂樹の葉等のブーケを入れて煮ます。 その際片栗粉を入れておくと、出来上がりが白くなります。
1、上記の耳と同じく下茹でした豚の足を、たて半分に割ります(今回は元々割れていた)。 鍋に水を入れ、醤油を適量入れ、ニンニク、ショウガ、ネギ、八角もしくは五香を入れてコトコト40分程度煮ます。 足が柔らかくなった頃、胡麻油を2,3滴たらしてできあがり。
以上豚の耳と足でした。 豚足については月に5回はポン酢や甘辛く煮て食べたりするのですが、 豚耳(ミミガー)には実はイヤな思い出がありました。
オイ流の豚足 では、下茹でなんかせずにそのまま茹であげてかぶりつきます。 しかもその茹で汁で即席ラーメンを作ったりもする程コッテリ好きでありますが、 豚耳を同じように作って食べようとすると、とてもじゃないけれど臭くて食えませんでした。
これ以来、豚の耳は臭みが強い食べ物なんだ、そうなんだ。 という風に、封印してきたワケであります。 しかし、檀流の塩と酢でよくもみ洗いして、一度下茹でする方法で食べると、これは、もう、すごく美味しいのです。
個人的には豚足よりも美味しいと感じました。 耳の軟骨をとりまくゼラチン質は、もう病み付き。 特に耳の付け根に残る微量の肉なんて、最高であります。 フランス式の作り方も大変よろしく、ハーブの香りが食欲をすすります。 ニガテな方はまずこのフランス式から作ってみてはいかがでしょうか。
さらにもうひとつ。 豚耳をせん切りにして、酢醤油に胡麻油(このタレがまたウマイ)をたらしたタレで食べるわけですが、これは豚耳の上に直接かけてしまって 和えて食べたほうが良いように思えます。 何故かと言うと、せん切り豚耳が冷めてくると、互いにくっつきあってしまうからであります。 ひとつまみするはずがガバッと取れたりします。 もしくはせん切り豚耳に胡麻油を和えておいて、酢醤油につけて食べる。 これも理屈は同じでしょう。 さらにオイは小ネギと七味をかけて食べるのが好みです。
そして豚足でありますが、中国風煮は五香の香りが大変良く、酒がウマイです。 このレシピもやっぱり砂糖は使わないのですが、 甘い味付けに慣れてしまっているのでオイ流に砂糖、酒を加えたりします。 作り方としては、下茹でしたあとの残りの汁をとっておいて、 それに醤油モロモロを入れて作りました。 油がニガテな方や、カロリーが気になる方は、新しく張りなおした水で作るほうがよいでしょう。
日本では豚の足と聞くと恐れおののくが、中国では妊産婦や産後の婦人が、乳の出がよいというのでダイコンと豚足の煮込みが喜ばれるそうだ。 又、 フランスでは有名なビストロで「ピエ・ド・コション(豚の足)」という店があり、大繁盛なのでそうだ。(当時) さらにドーデは「豚の足は栗の匂いがする」と喜んでいたそうな。
© 2005-2023 ぷちぐる.