今回はソーメンです。 これを書いている時点では、まだ2月。 「寒いのに何ゆえ今時分にそーめんなの?」という意見もありますが、 オイは年中冷やしソーメンや、地獄炊きそうめんを食べているのです。 今回のそーめんは、夏前まで温存しておこうと考えていたメニューであるがしかし!
子供の保育園の先生に、実家が島原手延べ素麺の製造元という方がいて、お友達であります。 ということは、 そうめんを、結構お買い得で手に入れることができるというわけです。 ソーメンのシーズンオフは夏の終わり頃。 需要が落ち着いてきた頃を見計らって、一年分大量注文しているわけす。 でも素麺というものは、長く置きすぎると、カビる場合があるそうなので、 あんまり買いだめはしないようにしましょう。 今回は、具にこだわりつつソーメンを作ります。
1、まずはツケ汁。 釜揚げうどんにも書いてあるのと同じものです。 ダシ汁を酒、みりん、薄口醤油で味付けをすると、ツケ汁の完成。
出し汁ばとる →
※かえしを用いたつけ汁も美味しいですよ。
2、いまから怒涛の薬味ラッシュであります。 まずはさらしネギ。 これは誰でも入れますね。 まずひとつ。
3、次はゴマ。 煎って、若干すりこんでおく。 これでふたつ。
4、そしてシイタケ。 干しシイタケをよく戻しておいて、その戻し汁にツケ汁を適量入れて、煮る。 そうすると。 薬味はこれで三つになります。
5、まだまだこんなもんじゃありません。
ツケ汁を小鍋にとり、鶏の挽肉を煮ます。 旨いそぼろができます。 これで四つ。
6、さっき鳥の挽肉を煮た煮汁は、鶏エキスにより濃厚なダシに変わっているはずです。 そのダシで、切って水にさらし、アク抜きをした茄子を煮付けると、 なんと五つめの薬味ができあがります。
7、子供用に、胡麻油かサラダ油で、炒り卵をつくっておくと、6つ目の薬味。
8、よっしゃ、大根おろしでもすりこんでおきおましょう。 これで7つ。
9、そして最後の8品目を飾る薬味はおろしショウガ。 定番ですね。 薬味とは、ネギに始まりショウガにおわるといっても過言ではありません。 あとはそうめんを湯がいて準備オッケーできあがり。
※余談ですが、そうめんを茹でる際に、木綿糸で端をしばっておいてから茹でると、盛りつける際に整えやすいです。 一束を半分にしてそれぞれ束ねると都合がよかったです。
さらにツユには裏ごしした梅を溶かしてみたりすると尚いっそう清涼感があります。 以上の手法は美味しんぼよりでした。
ソーメンの薬味は、煮ソバの薬味にもってこいです。 煮ソバというのは鍋をたぎらせ、ソバを放り込んで鍋ごと食卓へ運ぶだけです。
以上ソーメンでした。 檀さんの手にかかると、ソーメンでさえこのボリュームとなります。 これならば夏バテも防げそうですね。 挽肉そぼろや煮ナスもツケ汁で作るので簡単この上なしです。 まさに10分そこらで豪華なそうめんを食べることが出来ます。
という話を耳にしたことがあります。 ところがこの度、「そうめんは古くなるほど味がよいとされる常識は、正しくない」
とする実験結果を伝承料理研究家の奥村彪生(あやお)さんが博士論文にまとめました。
以下2009/02/17朝日新聞の記事を引用します。
価格が最も高い「3年もの」は、脂肪臭や堆肥(たいひ)と同じにおい成分が、新物に比べ3倍に増えていた。
そうめんは、冬から春にかけて製造され、梅雨時期を1回経た新物、2回経た古物(ひねもの)、3回経た古古物(こひねもの)(大古物)に分けられ、古い物ほど2割ほど高くなる。
奥村さんは細めのそうめん3種(直径0.6〜0.7ミリ)を食品会社の研究所に依頼して分析、めんの油が分解して生じる嫌なにおいの成分を比べた。
枯れ草のにおいの1―オクテン―3―オール、強い脂肪臭の2―ドデセナール、堆肥のにおいのヘキサナールが古いほど増え、それぞれ古古物は新物の約3倍に増えていた。
また、畿央大学(奈良県)健康栄養学科の4年生ら19人に、種類を明かさず、もっともおいしいものを選んでもらうと、新物4人、古物13人、古古物2人だった。
太めのそうめん(直径1〜1.2ミリ)の新物では、全員が前者3種のどれよりもうまいと評価した。
奥村さんによれば、古いほどよいとされだしたのは、供給過剰になり始め、極細にする技術が生まれた江戸時代中期以降。 細いほど作るのが難しく高級とされる。だが、細いと、ゆでたとき水分を吸って伸びやすく、新物より硬い古物の方が歯ごたえがいい。
奥村さんは「そうめんが売れ残り、時間がたつと硬くなると偶然気づいたのではないか」と推測している。
18日に開かれる美作大学大学院(岡山県)の博士論文公聴会で発表する。
奈良県三輪素麺(そうめん)工業協同組合の寺田裕彦理事長の話
食味は個人の好みがあるので一概には言えないのではないか。
何を基準にするかで好みはわかれる。こしのある方がおいしいという人は古物、大古物ほどいいという。においを気にする人もいるが、逆にそのにおいがいいという人もいる。
製法や保存法も進歩して、使う油の量も減ったので、気になるようなにおいはそんなにないはずだ。
個人的には古いほうが好きです。
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