張り切ってスーパーにアンコウを買いに行くと、あらかじめ切り分けられてパック詰されたものが売ってありました。 がしかし、 ほとんどが身で、肝腎なあん肝や皮などが入っていなかったので、 早起きして朝市にアンコウを丸々一匹買いにいってきました。
このアンコウを、せっかくだから吊るし切りにして自分の思うがままに解体し、食べたいと思います。
1、まずはアンコウ。 小さめのものを一匹買ってきました。 でも一家族で食べるにはこれでも少し多すぎるかもしれないので、 適宜ブツ切りにされたもの等を買ってきたりします。 でも、鮟鱇(あんこう)は、肝や、皮が美味いのでやっぱり丸ごと一匹買ったほうがあんこう鍋を楽しめます。
2、どうしてもやってみたかった、アンコウの吊し切りに挑戦してみます。 まずはアンコウの下あごに鉤をかけます。 今回S字型のフックを用いました。 そしてアンコウの口から水を注ぎ込んで腹を膨らませ、安定させます。
まずは胸ビレをそぎます。 両方そぎます。 小さいですが、ヒレというか、なんだか手のような形をしています。
3、次はあごの下の皮に包丁で切れめをいれて、皮をはがします。 手でスルリと簡単にむけます。
4、皮がはげたら、腹の肉をちょっと裂き、肝心なアンキモと、腸を取り出します。
5、アンキモと腸を取り除いたら、そこには水のたっぷり入った胃袋があるので切り取ります。
6、そしてエラをはずしましょう。
7、エラまではずせたら、残るはあんこうの身と骨のみ。 適当に肉と骨を切り分けていきます。 身も手で裂けるぐらいに柔らかいです。
8、サクサク切り取っていくと・・・
9、残るは顔のみになり・・・
10、最後に口の骨だけ残りました。 口のまわりにも美味しい皮がついているで、忘れず取っておきましょう。
「アンコウは唇ばかり残るなり」なんていう江戸の川柳もあります。
11、無事さばき終えたので、アンコウの七つ道具の紹介をしておきます。 まずはあん肝。 今回購入したアンコウは1kgちょっとのサイズでした。 少しだけしかアン肝が入っていないので、4、5人で食べるにはちょっとサミシイかもしれないです。
12、二つ目はとも。 ともとは大小のヒレや尾びれ等あんこうのヒレの総称です。 ゼラチン質たっぷりです。
13、三つ目はぬの。 ぬのとは卵巣のことです。
14、四つ目は柳肉。 柳肉とは、アンコウの身や頬の肉です。
15、五つ目は水袋。 水袋とは胃袋のことです。
16、六つ目はエラ。 あんこうのエラです。
17、最後の七つ目は皮。 あんこうの皮はコラーゲンたっぷり。
18、七つ道具以外に残ったものとしては、口の骨、おそらく胆嚢、腸、心臓、あとひとつは腎臓?です。
19、あんこうの肉片は、熱湯をくぐらせて霜降りにしておきましょう。
鮟鱇鍋に良く合う野菜は、ワケギ、ネギ、ササガキゴボウ、タケノコ、シイタケ、ウド、ミツバ、ギンナン等様々。 豆腐、シラタキは必須です。
味付けは昆布でダシをとり、薄口醤油、酒、みりんでお好みの味仕上げます。 甘味がほしい場合はチョットだけ砂糖を入れます。 さあ、食べましょう!
1、まずはヒヤッ汁を作るときと同じように、味噌を炙ります。 辛口の仙台味噌系を鍋の蓋にべったりと塗って、火にかざして炙ると よいそうです。
2、アンコウの肝は、蒸して、炙った味噌と混ぜ合わせます。 すり鉢で徹底的に混ぜ合わせることがポイントであり、1000回ともう1回すりつぶします。
3、アンコウの7つ道具や身は、グラグラたぎらせた湯でサッと茹で上げた後、ザルにあけて冷やします。
4、アンコウが程よく冷えたところで、各部分に肝味噌をちょっとつけて食すわけです。 どっしり重く、新鮮なアンコウを使用するところが大きなポイントになります。
以上アンコウ鍋でした。 美味い! の一言につきます。 七つ道具はもちろんのこと、身。 身の味や食感が蟹(カニ)に似ている気がしました。 一匹丸ごと買っても高くないし、冬は鮟鱇鍋を食べないと、損した気分になりそうです。
アン肝は、魚体が小さかった分、ほんのチョットしか入っていませんでした。 でも、そんなこともあろうかと、アン肝だけ別途購入していた次第です。 やっぱり食べる人皆が満足できる分量用意しておきたいとう感じです。
唇ばかり残るなりの口。 歯がスルドくて、「JAWS」のホオジロザメを髣髴とさせます。 剥製みたいにならないかな? ということで、キッチンに吊るして乾燥させております。 もしも吊るし切りをする機会がありましたら、手を怪我せぬようご注意ください。 尚、吊るし切りの手順は、オイ愛用の食材図典を大いに参考にさせていただきました。
アンコウ鍋は水を使わないほうが旨いという話もあります。 煮ていくうちに、身から水気がでてくるといいます。
© 2005-2021 ぷちぐる.