この作り方は、谷崎潤一郎さんが『陰翳礼讃』の中で書いておられた作り方です。 檀さんは、谷崎さんの書いておられるとおりに作ったそうですので、 オイは、檀さんが書いておられるとおりに、作ってみたいと思います。
1、まずは白米を少し固めに炊きます。 檀さんは「窯がふいてきたころに酒を1合加える」と書いておられますので、 適当な分量、酒を加えて炊飯器で炊くとよいと思います。
2、ご飯が炊けたら蒸らして、完全に冷たくなるまで冷ましてから、手に薄く塩をつけて、 ご飯を少し小さめのおにぎり程度にしっかりと固く握ります。 この際、 なるべく手に水気をつけないようにして、塩ばかりで握るのが秘訣なのだそうです。
3、さて。 肝腎な鮭ですが、檀さんは新巻鮭を使うと書いておられます。 刺身のように薄く切るわけです。 オイは、刺身用のサーモン が売っていましたので、今回はそれを使いたいと思います。
4、薄くきった鮭の身を、先ほどの小さ目のおにぎりの上にのせて、柿の葉の中に包み込みます。 柿の葉の表を内側にして包むのですが、 その際、それぞれの素材に水気がないようにしておきましょう。
5、包み終わったすしは、すし桶などの適当な入れ物に隙間のないように並べて、 その上から漬物石程度の重さの重石をします。 オイはそんなに沢山作らなかったので、 海苔弁当を作った際の、弁当箱を使いました。
6、前の日の晩に重石をしたら、その翌日あたりから食べることができて、その日一日が一番美味しく、2、3日は食べることができるのだそうです。 食べる際には、タデの葉で、酢をふりかけてから食べます。
以上柿の葉すしでした。 「鮭の身が、まるで生のように半透明に生き返ってくるのである。」と檀さんが書いておられるように、本来は新巻鮭などの「塩ザケ」を 使用して作るのですが、オイの場合、刺身用の鮭が手に入ったので、それを使ってみました。 ちなみにまったくおなじ作り方で、塩サバを薄く切って作る柿の葉すしも、 紹介されていたのですが、こちらを作る場合は、すしメシを甘めに炊くという所と、重石をする前に、霧吹きで酒を振りかけておく必要があります。
「柿の葉すし」というぐらいなので、今回必須である「柿の葉」ですが、 運転中に目を凝らして柿ノ木を見つけることから始まり、見つかったら見つかったで、その柿ノ木の持ち主に「葉っぱを少しわけて下さい」とお願いをして、2、30枚を 貰うことができました。 柿の葉はちぎっておくと、すぐにシワシワになってくるので、柿の葉を入手したら即、柿の葉すし作りに取り掛かるほうがよいかと思われます。
たでの葉で酢を振りかけながら食べるわけですが、そのタデの葉がどうしても見つかりませんでした。 よって、頃の良い杉の葉を取ってきて、代用しました。
柿の葉ごと炙って食べるとまた格別です。
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