もち米にたっぷりと具を入れて、竹の皮に包んで蒸しあげます。 端午の節句のみならず、 日々のおやつにでも食べたいぐらいの一品です。
1、まずは下準備です。 前日に、もち米を一晩水に浸しておきましょう。 そして作り始める1時間前に、ザルにあけて水切りをします。
2、チマキといえば竹皮ですね。 これだけは是非用意したいものです。 ちなみに今回は、近所の雑貨屋さんで購入した竹皮を使用します。 タケノコの時期になると生産者市場でも見かけます。
3、さて具の準備にとりかかりましょう。 豚バラを適当な大きさに切り、鶏モツ(肝)もきれいに掃除し、切っておきます。 これらを器に入れ、ニンニク、ショウガをすりおろし、酒と塩もしくは薄口醤油で下味をつけます。 30分〜1時間程度置いときます。
4、水切りをした、もち米の中に下味をつけた具を、つけ汁ごと入れてよく混ぜ合わせます。 この際、シイタケやギンナン、生グリ、ユリの根等も加えたりします。 今回は、ニンジンと枝豆を入れてみました。 さらに胡麻油を少したらし、味が薄いような気配があれば塩で調整しておきます。
※サフランを少量湯に浸しておいて、もち米に混ぜこむと、キレイな色が出ます。
5、さていよいよ竹皮に、具入りもち米を詰めこみます。 三角錐になるよう竹皮を折り、そこへ詰めていくのです。
6、こんな感じに包めました。
あとはこれを、圧力鍋で煮ると、美味しいチマキの出来あがりです。 圧力鍋がなくなって、普通のフタ付き鍋の中に器を置いて、中にチマキを配置し、水を周囲に張って3、4時間蒸し煮すればよいものです。
チマキが煮えたら、酢醤油とゴマ油を合わせたタレにつけながら食べるのです。 冷えたチマキは蒸しなおして食べましょう!
以上具入り肉チマキでした。 「中国風のチマキはこんなに旨いのか・・・」と、家族で感動しました。 豚バラと、鶏モツの組み合わせに関しても、チョットどうなのかな?なんて考えていたのですが、合います! 今後チマキを作る際には、このレシピで行くことに、家族会議で決定しました。
もち米を竹の皮に包む工程は、もち米がボロボロと底から流れ落ちるのをなんとか防ぎつつ、ようやく包み終えたのですが、あまりパンパンに詰め込みすぎると、 蒸し上げた際に中身が飛び出してしまうので、ややブカブカめに竹の皮にくるんでおくほうが良いようです。
尚シイタケやギンナン等の具ですが、包む作業をする際に、その都度具を一通り入れていくと、出来上がりに具のかたよりが、なくなります。
そして、水を入れた鍋で煮るという最終工程ですが、一歩間違えば、ベタベタドロドロのチマキになってしまいます。 なので、最近ではもっぱら、 竹の皮に包んだもち米を、蒸し器で蒸してます。
中華風ちまきの体裁をとっているのが遠州ちまきです。 70分ほど蒸し、蒸すほどに日持ちがするそうです、10日は持つとか。 山に入る際の携帯食でした。
もち米を三時間水に漬けておき、豚肉、シイタケ、黒ゴマを胡麻油で炒めます。 そのに水を切った米を入れ、米が透き通るまで炒め、酒と醤油で調味したらクルミを混ぜて、竹皮に包んで蒸します。
祖母の話によると、昔、竹の皮に梅干をくるんで、チューチューやっていたそうでして・・・うーん、意味不明です。 と、思っていたら、嵐山光三郎氏の素人庖丁記にこうありました。
子どものころ、タケノコの皮に梅干しを入れてなめた。 タケノコの皮を洗って、なかに梅干しの種をぬいたやつを入れ、皮を三角形に折って、皮のすきまから出てくる梅干し汁を吸った。
あまり吸いすぎると、タケノコの皮が唇にあたってかゆくなったが、皮のすきまから出てくる汁は、竹林の涼しさがあって、微妙な味だ。
タケノコの皮は外側は毛があって父親の脛(スネ)のようだが、内側はすべすべしていてピカピカだ。 ピカピカの部分から、タケノコ独特の香りと味がしみ出てきて、梅干しを微妙な味に変える。
〜中省略〜
タケノコの皮には独特のうまみがある。
と。 竹皮梅チューチューの謎がとけました。 なんでも嵐山さんと同世代の方々は皆吸っていたそうです。
※当時子供達は竹の皮に梅干しをはさんでしゃぶり、そのうち次第に竹の皮が赤くなってくるのでそれを競って遊んだそうです。
さらに、チマキについても書かれており、
中国ちまきは、もち米の握り飯のなかに豚角煮を入れて竹皮で巻いたものだが、あれだって竹皮のうまみが微妙にもち米にしみこんでにぎり飯に風格ある味を与えている。
とおっしゃいます。 チマキには竹皮必須ですね。
端午の節句を祭るのは、中国で始まったならわしです。 屈原(くつげん)という詩人が世を憤って、汨羅(べきら)に身を投げたところ、その姉が死を悲しんで、 命日の五月五日になる度、チマキを川に投げたことに由来します。
※汨羅 - 湘江(しょうこう)の支流。
台湾には菜粽と肉粽の二種類があるそうです。 菜粽は生の南京豆を糯米と混ぜて竹の皮で三角形に包み、 肉粽の中には糯米の他に豚肉や海老、椎茸などを一度醤油で炒めてから入れるそうです。
これを1時間ぐらい湯で煮ればできあがりです。 唐辛子や、ニンニク醤油をかけて食べるそうです(食は広州にありより)。
© 2005-2021 ぷちぐる.