年の瀬には親しい人たちを招き、どんちゃん騒ぎすることを恒例としています。 そしてシメに食べるのが年越しそば蕎麦ならぬ年越しラーメンです。
いつも豚足ラーメンを作りますが、今年はアンケートしてみたところ「塩らーめんで行こう!」ということに決まりました。
今日は大晦日。 皆が来る前に試作をしてみたところ、思い通りの風味に仕上がり超満足しています。
まずはスープ作りです。 鶏がらを寸胴鍋にどっさりと入れて、フタをせずに超弱火で20時間煮込みました (鶏がらスープのとり方)。
この際、味に奥行きを出すために、豚の頭をひとつ放りこんでおきました。 時折底からザックリとかき混ぜながら、骨がグズグズになるまで煮込みます。
強火で煮込んだり、やたらめったらかき混ぜてしまうと、スープがにごって単なる豚骨ラーメンのようなスープになってしまいますので細心の注意を払わねばなりません。
豚の頭は肉屋さんに尋ねてみれば簡単に、しかも驚くべき安さで入手できるハズです。 煮込んでいくうちに頭にこびりついている肉は落ち、骨は次第にバラバラになってゆくでしょう。
※豚の頭だけを煮込んで抽出したスープも作ってみましたが、もう一味足りない感じだったので、鶏ガラベースにしました。
鶏がらベースの動物系スープと合わせるのが魚介類で抽出するスープです。 今回はアゴ(飛魚)ベースのスープを作りました。 前の日からスルメ、昆布、干し貝柱、干し椎茸、 そしてアゴを水に浸しておいて、煮だします。 アクが浮かんでくるのをこまめにすくい取り、30分ほど煮てクドすぎるほどの旨味があるスープを作ります。
ここにもう一種類魚介系スープを加えることにしました。 アサリを煮て乳白色のダシをとり、これをアゴベースのスープに混ぜ込んでおきます。 塩らーめんはあっさり感が魅力なのですが、 ともすれば単調な味になりがちなところです。 そこでアサリの旨味をプラスして複雑な風味を作り出そうではないかという魂胆です。
※アサリ本体は剥き身にしてオクラのおろし和えを作り、酒の肴にする予定です。
ラーメンに必要不可欠なのが、醤油だれです。
でも今回作るのは塩らーめんでありまして、あの澄んだスープを作り出すには醤油の色が邪魔になります。 そこで塩と水をあわせた塩だれを用意しました。
水に対して塩が限界まで溶ける割合、すなわち29パーセントの塩水を作りまして、 香り付けにショウガとニンニクを叩き潰したものを浮かべています。
一旦火にかけておきます。
これまたラーメンに必要不可欠なのが、香味油です。
今回は長ネギ、タマネギ、ショウガをスライスして油に加え、 一瞬火にかけたネギ油を用います。 どうして一瞬なのかというと、 それでも十分香味が油に移るからです。
そしてもうひとつ作ってみたのが海老油です。 たまたま茶碗蒸しを作る予定でして、エビを茹でて殻をはずしている最中に思いついてしまいました。
水気を飛ばしたエビの殻を油に加え、2、3分弱火にかけます。 すると油にエビの色が移り、見るからに美味しそうなオレンジ色になります。 これがエビの風味たっぷりの海老油です。 干しエビあたりで作るともっと薫り高く仕上がるかと思います→エビ油の作り方。
麺については当初、パスタマシンで打った「平打ち縮れ麺」を使う予定でしたが、 試作品をススってみたところしっくりこなかったので替え刃で極細麺を作りました。
打った後にかるく握りこんで緩やかな縮れをつけてあります。 材料の各割合は、強力粉2キロに対して卵水760グラム、塩20グラム、重曹20グラムです。 詳しい作り方はパスタマシンで自家製麺をご覧ください。
トッピングには茹でたほうれん草、焼き海苔、 半熟卵、 塩豚を軽くスモークしたものを選びました。 仕上げにかいわれと小ネギを散らします。
それでは塩らーめんの調理開始です。 丼の中に塩だれ、ネギ油、エビ油、アゴスープを加えておきます。 そこへ熱々の動物系スープを注ぎ込みまして、 ちょうど良いタイミングで茹で上げた麺を徹底的に水切りして流し入れます。 麺を2、3度いなしてから、各種トッピングを散らして完成です。 詳しい作業の流れは、ラーメンの作り方:豚骨ラーメン系に記してありますので是非ご一読ください。 ちなみに今回の麺の茹で時間は、 45秒です。
※塩だれの塩気は強烈ですので入れすぎにご注意ください。 香味油の量によっても感じる塩辛さの度合いが異なってきますので何度か作ってみてちょうど良い頃合を探してください。
以上、大晦日恒例の年越しラーメン塩バージョンでした。 イメージ通りの味、仕上がりです。 さあ、これでいつお客が着ても大丈夫、とここまではよかったのですが、 なんと本日長崎市では12月としては観測史上最多の積雪です。 ひょっとすると、誰もオイ家に来れない可能性がでてきました・・・。
10/12/31