「今年のおせちは何にしよう?」と考える時期になりました。 あれこれ想像するのも楽しいものです。
おせち料理には、「ある程度保存がきく料理」が適していることは言うまでもありません。 我が家ではベーコンやハムが、 お重の一角を埋め尽くすことが定番になりました。
さて、今回作る塩豚はですね、「ハムやベーコンほど手間ヒマかけて調理したくはないけれど旨いものが食いたい」という方にオススメの料理法です。
塩漬けして茹でるだけで、「上質なハム」のような歯ざわりの塩豚ができあがります。 今年はこの塩豚を、おせちに加えるつもりです。
さて、お好きな部位で結構ですので何か豚肉の塊肉を用意してください。 ちなみに今回は、豚モモ肉を使っています。
塊肉に、直接塩をまぶしつける「なんちゃってパンチェッタ」を以前掲載したことがありました。 今回の塩豚は、ベーコンやハムを作るときのように、 塩水を作って、その中に肉を漬けこむ方法をとります。
水1リットルにつき、塩100グラムを溶きます。 つまり、塩分10パーセントの塩水を作るわけです。 これを火にかけて、沸いたら火を止めて、冷ませば漬け汁のできあがりです。
好みで胡椒を加えてみたり、燻製のピックル液ばりにこだわって作ったりとご自由にお楽しみください。
※和風の漬け汁で作った塩豚は、泡盛のロックとよく合います。
冷ました漬け汁に肉を漬けこみます。 この際ビニール袋を使えば便利ですよ。 冷蔵庫内で、しばらく安置しておきましょう。
その安置しておく期間ですが、これは肉のサイズによってマチマチです。 「肉に塩が入っていく目安は1日1センチ」だという話を聞いたことがありますが、実際やってみないとよくわからん、 というのが実状でしょう。
今回は、500グラムの肉塊を、3日間漬けこみました。
※残った漬け汁は再利用できます。 今回は豚→鶏→豚と3回使いました。
さて3日が経ちました。
ビニール袋の封を開けると、スパイスの豊かな香りが立ちこめます。 肉を漬け汁から取り出してみると、表面がうっすら白くなっています。
ここまま調理してしまうと、塩が効きすぎているためにとても食べれたものではありませんから、塩出しを行います。
薄い塩水に、肉塊をしばらく浸しておきます。 時折水を張り替えて、3時間ばかり置けば大丈夫だと思いますが、 念のために端っこを切り取って焼いてつまむなどして、塩加減を確認してください。
※薄い塩水を使うことで、塩が抜けやすくなります。
塩出しのすんだ肉を茹でます。
湯の温度が重要で、ハムを作るとき並に、65〜80℃あたりをキープしてください。
ちょうどよい湯の温度を作り出すことは、肉に対して大きすぎるぐらいの鍋を用いて、たっぷりと湯を張れば、さして難しいことではありません。
今回約90分茹でました。 芯まで火が通ったかを確認するには、肉に串を刺してみるとよいです。 串の穴から透明な肉汁がでてきたら、火が通っている証です。 血がにじんでいたら、 まだまだ茹でる必要があります。
茹であがった肉を、氷水に沈めて粗熱をとります。
冷めたら水気を拭きとれば、塩豚のできあがりです。 冷蔵庫で1週間はもつと思います。 薄切りにして酒肴にしたり、サラダにしたり、焼いてみたり、 ポトフに放り込んでみたりと自由に活用してください。 しっとりとした食感にほどよい塩気、驚くべき美味しさです。
※茹でてからそのままほったらかしておくと、水分が抜けてパサポサになってしまい、固くなります。
10/12/22