ラード

ラードの作り方

ついに豚の背脂の入手先を見つけました。 サフランライスを作る際に背脂がなくて、 豚バラ肉の脂身をコツコツはぎとってから代用したこともありましたが、そんな苦労とはおさらばです。 今後は盛大に背脂を使いまくります。

それでは背脂入手記念といたしまして、ここはひとつ、ラードを手作りしてみたいと思います。

豚の背脂

豚の背脂

これが豚の背脂になります。 厚みは2センチ程度で帯状に切り分けられており、触ってみると固い脂だということがわかります。

素人が背脂を入手することは不可能なのでは? と考えていたところ、たまに行く肉屋さんで普通に取り扱っていました。 しかもすごく安いです。 背脂をお探しの方は、 肉屋さんで「背脂ってありますか?」と聞いてみてください。 たぶんあります。


炒める

溶かし炒める

背脂を2センチぐらいの角切りにします。 大きく切り分けてしまうとあまりよくありません。

切り分けた脂を盛大に広げられるような広い鍋を用意し、脂を入れます。 をヒタヒタに加えて、 フタをし、弱火にかけます。


牛乳

しばらく火にかけていると、水気が飛んでジリジリと音がしてきます。 フタを開けて様子を確認してみると、脂の角切りから油がじんわりとにじみ出てくる様子を確認できると思います。

そのまま弱火で1時間半ぐらい火にかけます。

途中で牛乳を少々たらしこんでおくと、よりいっそうコクのあるラードになります。 その際油がハネますので、フタを盾にしつつ加えてください。

どうして広めの鍋を使うのか? それは脂が重なっていると均一に脂がにじみ出てくれないからです。

※近頃ラード作りに慣れ、30分ぐらいで作り上げています。


揚げカス

揚げカス

時間がたつにつれ、脂の角切りは小さくなり、こんがりとキツネ色になってくるハズです。 あわせて鍋には想像以上の油がにじみ出ているハズです。

これにてラードの完成となります。 揚げカスをすくいとりましょう。

揚げカス

ラード作りの副産物として揚げカスを入手できます。 見るからにウマそうですがまさにその通りです。

軽く塩を振ってサンドイッチに挟み込んだり、 ラーメンのトッピングにしたりするともうたまらんです。  鶏皮のようにサラダにするものお勧めです。

ラーメンとラードは切っても切り離せないものでありまして、今回の自家製ラードと揚げカスを使うと味がグンとよくなります。 インスタントラーメンを食べるにしても、 揚げカスを上から散らすとそれだけで格段によくなります。


塩

揚げカスをすくいとったあとのラードにはを少々加えまして・・・


ラード瓶詰め

ラードの瓶詰め

清潔な瓶に注ぎ込みます。 あまり熱いうちにやるとヤケドする恐れがありますので、冷やしてから行ってください。

※瓶はあらかじめ煮沸消毒しておくとよいです。 参考→トマトピューレ


ラード完成

ラード完成

熱が冷めるとご覧のように固形のラードになります。


煮てラードを作る

煮てラードを作る

鶏油をとる要領で水を多めに使って煮込み、冷えたあとその上澄みをすくいとってラードにする、という方法もありますが、それでは美味しい揚げカスが入手できないことになります(でも真っ白なラードに仕上がります)。

ちなみに右の写真は豚骨スープをとる際のものです。

この方法を煮とり法といいまして、牛の脂の融点は50℃以下、豚の脂は40℃以下なので、100℃のお湯で煮ればカンタンに溶けて油は水よりも軽いので、上部に層となります。 これを冷やして油を固めたらヘット、もしくはラードの完成です。

この方法は揚げカスが手に入らない一方で100℃という低温で仕上げるために油の痛みが少なく、味や香りの成分は水の方へ移されて、純粋な油が得られます。


以上ラードでした。 このラードでトンカツを作ってみたところ、風味が格段にアップしました。  「プロ並」と表現しても決して言いすぎではない程です。  皿うどん長崎ちゃんぽんの具を炒める時にも是非活用ください。  やはりプロの味になります。  さらに資生堂パーラー式カレーを作る際もこれを使えば最高だと思います。


ラードのツボ

  • ごく弱火でどうぞ。
  • あまりにも長時間火にかけると焦げます。 一度失敗しました。 焦げるとラードは使い物になりません。
  • 塩と牛乳は加えなくても結構です。

おさらい

豚の背脂を細かく切り、火にかける。

08/03/16


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