何かと便利な両者ですが、一体どうやって作られているのかを知っておくと、上手に活用できそうです。
まずはトマトの水煮から作ってみましょう。 真夏の日差しをモロに受けて、真っ赤に完熟したトマトを使えば聞いただけでもおいしそうなのですが、トマトは一年中売っていますし、 スーパーの安売りの際にでも大量に買い込んで、作り置きしておけば便利です。
そんなトマトを適量用意し、まずは湯むきにします。
トマトをザッと洗ってからグラグラ沸いた湯に漬けます。 しばらくして皮が張り裂けたら取り出します。 あらかじめ皮に薄く切れ目を入れておくと仕事が速くなります。
取り出したトマトの皮を指でつまんでむき、ヘタを包丁の先っぽを使ってくりぬきます。 トマトを潰さぬよう、ご注意ください。
次は出来上がったトマトと水煮を入れるための容器を殺菌します。 グラグラと沸き立つ湯の中に、ガラス瓶、フタを入れ5分ぐらい煮て煮沸消毒をします。
煮沸消毒の済んだばかりのまだ熱い瓶に、湯むきしておいたトマトを詰めます。 瓶の口がせまく、丸ごとトマトが入りきれない場合は、ザックリ切ってから詰め込みます。
※ホールトマトの直訳は「丸ごと一個のトマト」ということになるそうですが、市販品の中にもトマトをカットして缶詰にしているのもあることだし、その辺は気にしなくてもいいかな、 と思います。
トマトを瓶に詰めたら、上から薄い塩水を作って注ぎこみます。 瓶の口から2センチぐらい下まで注ぎ込みます。
トマトを詰めた瓶をグラグラと沸き立つ湯の中に漬け、上に軽くフタをのせ、15分ぐらい煮沸消毒をします。 さらにフタを閉めて、 20分ぐらい煮沸するとホールトマトのできあがり。
冷蔵庫で保管し、2ヶ月程度日持ちした実績がありますが、各家庭で条件が異なると思いますので、日持ちはご自身で判断されてくださいね。
そもそもピューレとはフランス語で野菜などをつぶして裏ごしにし、とろみのある滑らかな半液体状にしたものを指します。
トマトピューレとは、トマトをピューレしたものなのです。
それでは早速作り始めます。 トマトを水洗いしたあと、ヘタをとりのぞいてザク切りにします。
※トマトは完熟のものを使います。
ザク切りのトマトを、ホーロー引きの鍋とか土鍋を使って30分ぐらい時間をかけて煮詰めます。
※トマトは酸が強いので、金属製の鍋は使わないようにしてください。 鉄、銅製の鍋を使うと化学反応でトマトが黒くなり、見た目が悪くなります。
木ベラを使い、潰しながら煮ていくと、どんどん水気がでてきます。
ある程度トマトが煮くずれて、汁気が落ち着いた頃、裏ごし器を通して皮、種を取り除きます。
この辺で「トマトピューレって、トマトを大量に使うわりにはたったこんだけしかできないものなの?」と気づきはじめます。
こしたトマトの汁を鍋に戻し、さらに煮詰めていきます。 中火でじっくり、2/3程度の分量になるまで煮続けます。
この際、ほんのちょっぴり塩を振っておきます。
煮詰まったらホールトマトと同じように、煮沸した瓶にトマトピューレを注ぎ、瓶ごとお湯で煮沸消毒します。 煮沸時間も同じぐらいで結構です。
完成したトマトピューレを冷ましてから少しなめてみてください。 濃縮されたトマトの風味に驚かれることと思います。 それにしても、6キロのトマトを使ってトマトピューレが1.5キロしかできないなんて、ビックリです。 今度は市販のトマトピューレにもっと敬意を表したいと思います。
ホールトマトでトマトソースをこしらえたり、 トマトピューレでボローニャソースを作ったりしてみると、 なおいっそう楽しめます。
08/06/22