日本一暗いBar、という所を紹介されて行ってきました。
ドアを開くと仄暗く、蝋燭の炎がゆらめいています。 電気的照明は一切無く光源は蝋燭のみ、面白いですねー。
かろうじてとなりの人の顔は見えるものの、奥に座る方はもう闇の中です。
店主は昔テレビでよく見たタモリさんのモノマネをする芸人さんとよく似ており、ひとりで切り盛りしているものですから漆黒の中をせわしく動き回っています、どこにぶつかるでもなく。
普通バーというと、棚にダーッとボトルが並んでいるものですが、ここには一本のボトルも立っておらず、全て床下に収められています。
客の好みを聞いてから、いくつかの酒を提案しては、その都度ボトルを取り出してカクテルする、という仕組みです。
メニューはありません、というかもしあっても見えないでしょうしBGMもありませんからホントに「…シーン…」と静寂が耳に響いてきます。 グラスとつまみだけが、ただ目の前に置かれているのです。
生ハムをつまみながらウイスキーを飲んでいたら少し小腹が空いてきたので「何かください」と伝えたら出てきたのがカリッカリに揚げられた鶏皮でした。
つまみをお願いしたタイミングがちょうど別のお客さんの会計と重なってしまい、店主さんが「ちょっと待ってもらってよろしいですか」と言うので「どうぞ」と促したら凄かったですね。
この闇の中胸からモンブランのマイスターシュテュック149を取り出したかと思えば伝票に恐ろしい速さでサラサラ記入し始めて、それが丁度目の前だったので眺めていたら一体何語が書かれているのかを判別できず又、金額だけは丁寧なアラビア数字で記された為読めてしまったのですが、およそバーで支払う額ではない桁だったのでまさに腰が抜けてしまったのです。
このお客は柔和な顔をして一体どんな酒を飲まれたのだろうか……。
お客が帰った後「おまたせしました」と鶏皮を出してくれたので「ものすごい速さで字を書かれますね」と見たままの感想を述べたらなんでも一番効率的に書く事ができる自分が造った略字、なのだそうです。
皮はほんのり塩味がして、ポリポリ小気味よく口中で砕け、イチローズ・モルトとよく合いました。
鶏皮ですね、食べよい大きさに切り分けます。 揚げたら少し縮みますから、ざっくり切り分けるテイで結構です。
衣は米粉と水、そして塩を合わせて混ぜるだけ。 胡椒や隠し味にウイスキーなぞもってのほか、この直球こそが美味しさのヒケツです。
あとは皮を衣の中へ入れてしっかりもんで、180度の油で3分30秒揚げるだけ。
揚げ物といえばつい、揚げたてアツアツを食べたい気もしますがこの皮は、熱がしっかり収まってからかじるよう生みだされたものですから、ぜひ一度にまとまった分量作り日々のおつまみに活用される事をお勧めいたします。
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20/02/01