「ゴマサバってメチャ旨いよねぇー!」
と、同意を求められたのは一週間前でした。 ゴマサバと言ったらサバの一種であり、 腹にゴマ風のまだら模様があることからその名がつきました。 ハッキリ言って、マサバよりも風味は一段落ちる印象しかありません。
なので「この人相当鮮度の良いゴマサバ食ったんだなー」って思ってたんです。
ところが話が進むにつれてやはり何か話がかみ合わせないので「そのゴマサバをどうやって食べたんですか? 塩焼です?」と聞いたところ、
「へぇっ?!」と素っ頓狂な声で目をむいた氏でしたが、お互いどうもオカシイねこの話、と意見交換したらこうでした。
「なーんねもう、なんかオカシカコトば言イヨルネて思うたらなーんね知らんとねモウ! ゴマサバていうたらコレたいコレ!」
以降中州の大将、ムカイさんになったつもりでお送りします。
そしたらまずさ、バッチバチのサバば買うてこんね! こん料理の一番大事か所はサバの鮮度ね、ココよ!
自分でおろしきらんやったら、魚屋に頼んで三枚にしてもらわんね。 鮮度の良かサバはおろしても身の綺麗かもんね。
あとは腹骨ばすいて、中骨ば抜いて、薄皮ばはげば準備完了ね。
白ゴマば炒らんね。 はじけるまで炒って、半分はすりこんで、もう半分はそのまま使うけんね。 何しろ「ゴマサバ」ていうぐらいやけんがね、 ゴマば山んごと使わんば美味しゅーなかけんね。 なんねゴマはどんくらい入れるとかって?
そうねえ、そがん事聞かれても「好いたごとせんね!」てしか答えようのなかとばってんがそうねえ、すりごま大さじ1と、すっとらんゴマも大さじ1用意せんねそしたら。
醤油ば100グラムと、一瞬煮て冷ましたみりん150グラムば合わせてね、そいばゴマと合わせんね。 こいがゴマダレね。
五年ぐらい前東京駅の近くの居酒屋に入ったらさ、店の大将が博多の人間やったとさ。 だけん九州料理のいっぱい置いてあったとばってんがさ、品書きのどこにも「ゴマサバ」の字のなかとやもん。
だけんがさ「ねえ兄さん、ゴマサバは置いとらんとね?」て聞けば知らんとやもんゴマサバば! だけん次の日また行って教えたとさ作り方ば。
まずサバばおろして、ゴマばすって、醤油とみりんば合わせて、混ぜて・・・てね。
で最後に刺身にしたサバばゴマダレの中に入れてサックリ混ぜたらできあがりさね。
て教えてからね、つまんでみたとけどさ・・・自分で作っといて何ばってんがさ、美味しゅーなかとやもんいつも通りに作ったとにさ。
だけんおかしかねー、って頭ひねったとばってんがさ、そういえばあんた、東京と博多じゃ醤油の違うでしょうが醤油の。 九州の醤油は甘かでしょうが、ばってん東京の醤油は辛かでしょが!
そいで味の全然違てくるとやもんね面白かよね。
だけん九州醤油じゃなか醤油で仕込む場合はさ、ちょっとみりんの量ば増やして甘めに作った方がサバの脂とよー馴染んで旨かて思うバイ。
ワサビばつけながらつまんでみんね、焼酎のいくらっちゃ呑まるっけんが!
ゴマを炒って醤油、みりんと合わせてゴマダレを作り、サバをあえてつまむのだ。
15/05/21