禁煙してからというもの、あらゆる食物の本当の味を感じることができるようになり、 嬉しい反面、困ることも多くなりました。
今まで美味しいと思っていたものが美味しくなくなったり、焼酎よりも、 日本酒を好むようになったり、水にうるさくなったり…。 こんなことならばやめてくれなくてもよかった、 なんて嫁からも言われたりします。
米。 そもそも我が家でお米を炊く係はオイだったのですが、 この度土鍋で炊飯するという行為に目覚めました。 今まで当たり前のように電子炊飯器で炊飯していたものを、 土鍋で炊くようになったわけです。
お米を炊くには五感を研ぎ澄まさねばなりません。 だから喫煙する人はまずそれを金輪際キッパリとやめてください。 なんていうのはウソです。 人それぞれありますからね…。
さてまずは、お気に入りのお米を調達してきてください。 ちなみにオイ家はちょうど新米になった頃でした。 はっきりいって、マジで、 電子ジャーよりもだいぶ美味しく炊飯できます。
ボールにでもお米を入れて、水を少し加えて、軽くいつものようにお米を研ぎます。 『洗う』のではなくて、『研ぐ』のです。
※洗うことを「研ぐ」というのはお米についてだけです。 お米の表面のヌカは脂肪分を含んでいて水では落ちにくいので研ぐように洗うわけです。
頃合をみて、水を一気に注ぎ込み、ヌカを洗い流します。
これを何度か繰り返すのですが、はじめのころは特に手早く糠を洗い流します。 きれいに水が澄んできた研ぎ終わりです。 ザルにでもあけましょう。
米を研ぐ目的は、米粒の表面についているヌカを洗い落とす事です。 最初の一回目の研ぎに時間をかけると、ヌカ臭いご飯になりますので、2、3回かき混ぜたらすぐ水を捨て、新たに張り直すほうが良いものです。
3、4回研げばほぼヌカは落ちるので、くれぐれも研ぎすぎには注意しましょう。
お米のとぎ汁を植木にかけてやるとスクスク成長すると母親に伝授されました。
ザルにあけた米を凝視します。 割れた米やゴミがまじっていませんか? 極端に小さい粒なんかも神経質にのけていくと、極上の米を炊くことができます。 美味しんぼにそう書いてありましたから間違いありません。
夏は30分、冬はその倍くらい置いてから炊き始めると良く、研いですぐに炊くと米の芯がまだ十分吸水していないため、芯のあるご飯になってしまいます。
土鍋に米と水を入れます。
分量はお米3合(540cc)に対して水660ccが目安です。 しかし、お米の炊きあがりのお好みもあるでしょうし、米によっても若干違ってくるかと思われますので、このへんは毎日炊いてみて微調整していき、自分好みのセッティングを見つけ出すのがよいかと思われます。
ちなみに古米は米に含まれている水分量が少ないので水多め、新米は逆にやや少なめで炊くとちょうど良いものです。
米と水をいれ、平らになるようにならし、蓋を閉めます。 土鍋はキチンと蓋をしても若干スキマがあいているものが多いので、軽くしめらせたフキンで蓋の縁を一周 させるとよいです。 土鍋にハチマキをして あげてから、炊くのです。
フキン無しでお米を炊いてみると、フタと鍋の間にスキマがあるということがよくわかります。
準備は整いました。 さあ、ガスコンロに点火します。 沸騰するまでは強火でガンガン熱するのですが、 土鍋のことを考えると、まずはじめは1分ぐらい弱火で温めておいてから、強火に移行したほうが土鍋が割れる心配がないのだとか。
点火する前にひとつ言っておきたいことがあります。 それは「なるべく静かな環境で炊き始める」ということです。 一旦点火したらもう最後、フタをあけて中のお米を確認するということはできません。 沸騰したことも、水気が少なくなってきたことも、おこげの出来具合も、全て体で感じとるのです。
お米を炊いている隣で揚げ物でも作ってやろう、とかちょっと洗い物でもしておこうかなんて思いついてはいけません。 とにかく、静粛に、お米を炊き上げることのみ に集中するのです。 そうしないと失敗します。
土鍋を強火にかけたら、さあ、耳を澄ませてください、土鍋の蓋に空いた小穴を見つめてください。 「ボコ…ボコ」なんていう音が聞こえてくるはずです。 段々と湯気の噴出し方が 活発になっていく様子が想像できます。 しまいには「ボコボコボコボコボコボコ…」という音に変わってくるでしょう。 これが沸騰のサインです。 聞き逃さないようにしてください。 一番初めに炊くときは 一瞬、ここで蓋を開けてみるのも勉強になってよいかと思われます。
沸騰したら、火力を中火ぐらいに弱め、これから8分間にわたり、お米を炊いていきます。 さあ、ストップウォッチを持ってきてください。
土鍋をみつめていると、段々と噴出される湯気が少なくなってくる様子が見受けられます。 お米のいい香りがキッチン内に充満します。
8分後、再び火力を強火に戻し30秒ほど炊きます。 これは美味しいおこげを作ると同時に、お米を薫り高く仕上げるための大事な作業ですので集中して作業してください。
30秒とはあくまでも目安の数値で、各家庭でちがってくるかと思われますので、鼻と耳をきかせて、ベストなおこげを作り上げてください。
火を止めて、10〜20分程度蒸らします。 無論、蓋は閉めたままです。
蒸らし終わったら、土鍋の蓋をあけて、ざっくりとお米を切るように軽く混ぜます。 どうですかこの香り、米一粒一粒の美しさ。 食べる前からおいしいということがバレバレです。
はいおこげもこのとおり。 おこげをイメージ通り作れるようになったら大したものです。 土鍋で炊いたお米って、冷めても美味しいんです。 土鍋ご飯でお弁当なんか作った 日にゃ、たとえその弁当が日の丸弁当だったとしても、きっと喜ばれるかと思います。
あまりにも簡単に、そして美味しく炊けるので、我が家で米は土鍋で炊くことに決定しまして、毎日その役目をオイが担っている状態です。 炊く度ごとに、米炊きスキルが上達していることを肌で 感じることができます。 あーたのし。
ここでもう一度お米の炊き方を復習しますと、
ということになります。 とにかく一度、炊いてみてください。
ぷちぐる掲示板でemi郎さんがかしわごはんのレシピをといっていたのが離れず、即席でつくってみました。
普通に作ってもアレだしということで、水炊きなんかに使用する鶏のぶつ切りを使ってみました。 鶏の骨からダシがでることを期待した結果です。 鶏のブツ切りを酒と醤油で煮て、 それらを出汁、米と共に炊いただけなのですが、土鍋で炊き上げたものだから美味しいのなんのって。 どにかく土鍋でなにか米系を作るとまず間違いなく美味しいですから。
07/10/21