ホームセンターで豆柴の、あまりの愛らしさに見とれていたらトン、と肩を叩かれました。
振り返れば派手なマスクをしたアフロヘアの女性が立っています。
「誰やろか?」と目を白黒させる私を見た彼女は、指さしながら後ずさりしつつ目を素麺のように細めて笑いました。
ム、その眼は……アー!
長男が保育園の頃大変お世話になった保育士さんだったのです。
どうしてまたこんな所でお会いするなんて、とひとしきり話をしてみると、なんでも彼女は息子が卒園後まもなく、武者修行の旅へ出たのだそうです。
まずオーストラリアで二年間暮らし、その後中洋各国を転々とし、インドでしばらく生活したのち三年前日本に帰ってきたそうです。
今は友人知人を招いて自宅で料理教室をしながらのんびり暮らしているのだとか。
せっかくの縁だからという事で先日その教室にお邪魔してセッションを行いまして、その記念にという事で伝授されたのが今回のインドカレーレシピセットになります。
ひとくちにインド、と言っても日本の国土の何倍もある大きな国ですからインドカレーといっても地域でかなり異なるそうで、今回ご案内するのは厳密に言うと南西インドのカレーとなるそうですよ。
カレーについては黙っちゃいません、「長崎カレー棟梁」と呼ばれている私ですから、これまで多種多様なカレーを生み出してきました。
インド人のご主人を持つ方にも教わったりもしましたねそういえば。
今回のカレーの特色は、水やスープを用いない事とまずはじめにスパイスを炒めて香りを高める所にあります。
それではまいりましょう。 鍋を弱火で熱して油をたらし、唐辛子とローレルを薫立つまで炒めます。
玉ねぎを入れたらじっくり飴色になるまで時々混ぜながら面倒を見、ひき肉とカレー粉を入れて炒め合わせます。
肉の赤味が消えた頃、刻みショウガとニンニク、ホールトマトを入れて炒め煮します。
グリーンピースを入れて5分ほど煮、仕上げに塩だけでシンプルに調味します。
器に盛りつけてコリアンダーの葉を散らせば、これもまたひとつのインドカレーなのでした。
今回のカレーとぜひセットで食べていただきたいのがチャパティです。 インドの非発酵式パンの雄であります。
ボールに小麦粉、油、水を入れたらよくこねてまとめます。 三等分してそれぞれピザみたいに伸ばし広げたら、これを素焼きするのです。
カリッとなったら鍋をはずし、今度は直火で焦げ目がつくまで焼きます。
そして表面に溶かしバターを塗りつけたら、何枚食べても欲しくなるチャパティの完成です。
カレーを食べ切った後にもこれを焼き直してつまんだくらいですからね、オススメです。
なんだこの昭和の名優みたいな名のサラダは、と思いきやカレーと一緒に食べると口直しとして素晴らしいものがありました。
きゅうりをせん切りしてヨーグルトであえる、たったこれだけの事なんですがね、なんでしょうカレーとの相性は。
口の中で味がひとつになって、もう一杯欲しくなる事必至の逸品です。
ちなみに長男は、早いもので今年大学生になります。 今では185cm85kgの屈強な男になりました。 これもひとえに、幼少期親身になって世話をしてくれた今回の保育士さんをはじめ、多くの方々のお力添えがあっての事です。 この場を借りまして深くお礼申し上げます。
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21/02/24