知り合いに赤ちゃんが生まれたということで、お祝いに手作りベーコンの塊をあげることにしました。 彼女の好物なんです。
そこで早速燻製チップを買いにでかけたところ、 目にしてしまったんですねえ手作りソーセージ用の道具を。
子供たちも作ってみたいということですし、やってみることにしました。
ソーセージは腸詰めのことですからね、腸がなければはじまりません。 人工の腸も売られていましたが、 せっかく手作りするんですもの、天然の羊腸を手に取りました。
腸は塩漬け状態で、小分けにパックされておりまして、これを軽く水洗いしてから30分ぐらい水に浸しておいたものを使います。
腸は太さで分類されていて、今回は中太(ソーセージの仕上がり直径20〜22ミリ)を用います。
※腸のことをケーシングといいます。
ソーセージ専用の絞り出し袋と口金(先端の金属部)が別途必要です。 絞り出し袋は丈夫なビニール製で、口金は腸の太さに合わせて中太用です。
絞り出し袋に口金をとりつけ、口金に戻した羊腸を先端は3センチぐらい残してたくしあげます。 これにて準備完了なのですが、 口金に腸を装着するのは、中に詰める肉の準備をした後になります。
腸の中には、豚のひき肉をつめます。 ひき肉1キロに対して砂糖6グラム、塩20グラム、 タマネギ半分のすりおろし、ニンニク1かけらのすおろしを加え、一生懸命練りあげます。 この際好みでホワイトペッパー、ナツメグ、ローレル等色んなスパイスを加えます。 パプリカや唐辛子を練りこめばチョリソーになります。
肉をねりながら、時折卵白水(水100ミリリットルに対して卵1個分の卵白を混ぜ合わせる)を注ぎます。 これにより肉の温度上昇を防ぎ、程よいペースト感が生まれます。 卵白水はすべて使い切るのではなく、肉の状態をみながら注ぐのですが、 なにぶん初めての作業なのでどんな感じかよくわかりませんでした。 だから全量注ぎこんじゃいました。
肉をこねていると次第に白っぽくなってきます。 そうなると肉こね完了です。
口金に腸をセットし、袋にひき肉ペーストを適量詰めます。 袋の口をよく絞ってから、肉を腸の先端まで絞り出します。 腸の先端を3センチ残しておいたはずですので、空気を抜いたあとそこを結びます。
時折腸の出を指で促しながら、どんどん肉を注入していきます。 ここで一同から「おぉー!」と歓声があがりました。
※肉を注入する前に腸の先端を結んでおくと、肉と同時に空気も入ってしまい大変になります。
注入しながら、ちょうどよい長さのところでひねりつつ、おなじみのソーセージ型にしていきます。 肉を詰めすぎていると、腸が破れたりしますので8分目ぐらい詰めるつもりで作業します、って言われてもなにぶんはじめての作業ですから頃合がわかりません。 今回3度腸を破り、ようやく勘所をおさえた次第です。
なるべく一本の大きさが同じになるよう作業したいところです。 腸の端末は結びます。
肉をつめおえたらソーセージ表面を観察し、気泡があるようでしたら針で突いて空気を抜きます。
生ソーセージを70〜75℃のお湯で2、30分茹でます。 この際温度管理が超重要ですので上昇せぬよう監視します。 たっぷりのお湯を用いると温度管理は楽です。
※ハム作りのときと同じです。
茹で上がったら切り離し、熱々をいただきます。 普段口にしているソーセージとはまったく異なる腸の弾力感、肉の旨味に絶句します(ページトップ画像)。
茹でたソーセージの表面を軽く焼けば、腸が「プチン!」と弾ける食感に変わります。 子供たちにはこのほうがウケました。
生ソーセージを燻製器に吊り下げて70℃で1時間乾燥し、その後スモークチップで40分燻します。
スモークし終えたら70℃の湯で30分ボイルするとできあがりです。
ちなみに画像は生ソーセージをスモークチップを使い70℃で2時間燻したものです。 水気が抜けて味が濃縮され、酒の肴にするにはこれが一番だと思います。
子供たちと一緒にソーセージを手作りし、ワイワイ食べる。
12/01/31