新宿ゴールデン街をハシゴしていたところ小腹が空きましてね、次の店で何かボリュームのあるものを肴にしたいな、
と考えていたらメニューに乾きモノとタコウインナーしかありませんでね…。 仕方なくタコウィンを注文したところ、なかなか飲めちゃうではありませんか! 添えられていたマヨ、ケチャ、カラシが効いています。
そこで家に帰り、タコウィンを自作して肴にしようと、カミさんに「安っすい赤っかいウインナーを一袋買ってきて」とお願いしたところ意外な展開となりましてね。
なんと、ノーマルな赤ウインナーはスーパーを5軒ハシゴしても売っておらず、あらかじめタコとなるよう切れ目の入れられたウインナーしか置いてなかったというんです。
現場を確認するためにすぐ近隣スーパーへ向かいました。 すると証言通り、どこに行っても切れ目の入った赤ウィンしか置いていません。
皆さん今どきタコウインナーなんて作るんですかね、インスタグラムを見てみても、お弁当フォトを眺めてみても、誰もタコウインナーなんて入れてやしません。 シッカリ栄える、スタイリッシュな弁当ばかりです。
赤いウインナーはタコ用として生まれたのですか?
「これ買う人はみんな揃ってタコにしたいハズだからあらかじめ切れ目入れちゃえー親切ー」 と、メイドインジャパン・アズナンバーワンの食品各社は思ったのでしょうか。
そんなワケないじゃないですか。
ウインナーをタコにしたい人たちは、一本の柱へ自分なりの切れ目を入れて足をこしらえ、それを開かせて喜びたいんです。 この作る楽しみを奪ってしまってどうするんですか! ガンプラ買ってきて組み立てようと箱を開けたら完成品が出てきたようなもんです。
そもそも今回タコウインナーを作ろうと思い立ったのは上に書いた通りゴールデン街でたまたま出会ったからであり、もしもそうでなかったら、 この先10年まず赤いウインナーをタコにしたいなんて思わなかったですね、普通に転がし焼いて食べてます。 その「切っといたで、どうせタコにするんやろフフ」的なおせっかい感が解せません。
もはや意地でも切れてない赤ウインナーを探し出したくなってきましてね。 切れてないのを買ってきて、 自分の意思でタコにしようと思い立ち、切れ目を入れるべく博多まで向かいました。 そしてついに、ドラッグストアで切れていない赤ウインナーを発見したのでした。
勇んで自宅に戻り、いざタコに挑ましと、袋を開いたら「何やコレ」です。
上の画像の右がノーマル、左がタコとなりますが、何でしょうこのノーマルの短さ。 昨今 「#くいもんみんな小さくなってませんか」 と話題になっておりましたがそれでしょうか。 ポークビッツですらもうちょい長いハズです。 左は一見ノーマル赤ウィンに見えますが、手に取るとしっかり足の切れ目が入れられている事がわかります。
人はこんな短いウインナーをタコする事ができるのでしょうか、ピンポン玉にチマチマ世界地図書くようなもんです。 あたかもタコにされる事を拒んでいるかのような短さ…くやしくてひとつ口に放りこんだら美味しいんだからなお腹立たしい。
遺憾ながら、とりあえず切れてる赤ウィンを焼いてみる事にしたのでした。
フライパンに油を引かず中火で転がし焼け、と指示があるのでその通りにすると、次第に足が開いてきました。 よく見ると、「タコの目」を表すのであろう穴がふたつ開けられている事に気づいてモヤッとします。
もっと花のように足が開いてくるのかなと、しばらくコロコロ焼いてみましたが、足の開きは図以上には至りませんでした。
せめてこのくらいは開こうよと。
タコのはずがタコでない原因は、この転がし焼く調理法と、そもそもウインナーが短すぎる事にあると気付いた私は、日々愛用しているポーク粗挽きウインナーを取り出しました。
ウインナーの1/2の長さまで縦に包丁を二回入れ、計四本の足を作りました。 ちなみに切れてる赤ウィンは足が六本だったのでもうひとすじ刃を入れているのですが、 どのみち八本じゃないやんと、ハンパな仕事は却下した次第です。
もし足の数にこだわるならば、キッチンバサミを使うと捗るでしょう。
焼くのではなく揚げるんです。
ちょうど真ダコを茹でる時のよう、
180度の油面へ足の先からチョン、
チョンと少しずつ浸して揚げ進むと、足は見事にカールしてまいります。
これぞタコウインナー。 油を切って、刻みネギの海に座らせ、「タコなのに赤くない」と余計な事を言う人がいたので一味を振ったのでした。
レシピがすっごく溜まっていてウズウズしてますがボチボチ更新してまいります。
17/12/03