魚を三枚におろす方法のご紹介です。
今回はイサキを例に、進行してみます。 ちなみにイサキは田植えの頃(6月)が一番美味といわれる魚です。 皮付きでサッと表面を炙った刺身とか、煮付けでもウマイです。
ウロコかきでウロコをとります。 魚の表面が乾いているとウロコが落ちにくいので、魚体を水で濡らしておきます。
ひれの裏や、尻尾あたりはウロコが残りやすいので入念にお願いします。
ひれのトゲで指を刺さないよう注意しつつ、尾から頭に向かってかきとります。
人差し指をエラにかるく差し込みます。
※刺身にするだけで頭が不要な場合はエラをとらずに頭ごと包丁で落としてもよいですが、 煮付けや、頭を味噌汁に使う場合はちゃんとエラを取っておいたほうがよいです。
人差し指でエラをあらわにしながら包丁を突きつけ、口のあたりまでグルリと回し入れます。
魚を図のように立ててからさらに包丁を入れまして・・・。
あとはアゴのあたりで頭とエラがつながっているので、そこに包丁を入れて切ります。 これですんなりエラは取れるハズです。 ザッと水洗しておきましょう。
図の位置に小さなおしりの穴があるのでそこに包丁の先端を入れます。
一気に頭のほうまで包丁を進めます。
腹の中には内臓の他、時期(3月〜5月)によっては真子、白子が入っています。 真子、白子はお味噌汁や煮物等にすると美味しいのでとっておきましょう。 その他内臓はきれいに取り除きます。
このイサキには白子が入っていました。 かるく茹でて、ポン酢でたべたりします。 腹を開く際に包丁を深く入れすぎると白子に傷が入ってしまう場合があります。
内臓を取り除いたら、ちょうど背骨の部分に血がありますので包丁を入れて取り除いておきます。 ここで丁寧に水洗いをしておきます。
いよいよ三枚におろしていきます。 右図のように腹側に包丁をあてます。 刃をやや下向きにしながら尾ひれのほうまで腹ビレにそって包丁を入れます。
うまくいくとこのようになります。 ある程度は慣れが必要なので、あせらずゆっくりと包丁を入れていきましょう。 包丁さばきとしては、のこぎりのようにギコギコやるのではなく、スーッ、スーッっと優雅に、尾ひれのほうまで一気に引くようにします。
魚を回転させて、今度は背びれにそって、尾から頭側まで一気に包丁を入れます。
包丁の先が中骨に当たるまで何度か繰り返し包丁を入れます。
うまくいくと右図のようになります。 あせらずゆっくりです。
尾ひれの少し手前から包丁を腹側に貫通させます。 そしてゆっくり頭側に包丁を進めます。
途中腹骨を切断しますのでやや手ごたえを感じますが臆せずどうぞ。
頭まで包丁を進めたら、いったん包丁を抜きます。
胸ビレの後から包丁を入れ、身をゆっくり尾側にはがします。 尾ひれの部分がまだ骨とつながっているのでそこも切り離します。
片身をおろすことに成功しました。 残りの半身も同じように丁寧におろします。
もしも三枚おろしにする前に、頭を落としたい時は、右図のように包丁を寝せながら、中骨まで包丁を入れます。 魚をひっくり返して反対側も同じように包丁を入れます。
両側とも中骨まで達したら、斜めにしていた包丁をすこし立てて、軽く手首のスナップをきかせつつ頭を切り落とします。
包丁をなるだけ寝かせて図のように身に当てます。 骨にそって数回包丁を入れながらそぎ取ります。
慣れるまでは、なかなか思うようにいかないものですが、すぐにコツはつかめるでしょう。
次は身を背中側、腹側に分けます。 中骨のある部分だけを切り取ります。 中骨を骨抜きで抜き取る方法もありますが、切り取ったほうがカンタンです。
骨が残らないように注意してください。
このように切り分けることができました。 骨抜きになった身は、一つずつラップにくるんで冷凍しておくと、 色んな料理に使えます。
尾ひれ側から包丁を入れます。 包丁はなるべく寝かせたほうが、途中で皮がちぎれてしまう恐れがありません。 皮を反対の手で引きながらすきとります。 丁寧に素早くどうぞ。
ちなみに腹側の身は薄い分皮をすきにくいです。(特に真子がはいっている時期)
今回は刺身で食べます。 皮をすいた身をそぎ切りにします。
「イサキは田植え前が一番美味」といわれる魚です。 脂がのったイサキは皮をすかずにサッと表面を焼いて食べてもおいしいものです。
まな板の下に固く絞ったフキンを座布団として敷いておくと安定します。
更新日:23/03/13
公開日:05/11/20