酒場でね、ヌタを肴に飲んでいたんです。
フレッシュ感あふれる、丸みのある味のヌタでして思わず「旨いですねーこれ!」と、大将に声掛けしたところなんと!
自家製の酢だ、というんですものビックリです。
そこで作り方を聞いてみたところ、真顔になる程カンタンでしてね。
「なーに酒あるでしょ、置いとくだけ、酒を!」
という作り方もヘッタクレもない返答にぶっ魂消ました。
そこで徳利酒を二三本勧め、饒舌になってきたところでまた、詳しく問いただしたところ、たしかに置くだけでしてねえ・・・。
すぐ家に帰り、お猪口にチッとだけ、試しに仕込んでみたんです。
酒をお猪口に入れますよね。 これをただただ放置します。 ちなみに今回用いたのは、日頃愛飲している東一の純米です。
「1週間ばかりすると、酒の表面にうっすら膜が張るから!」
との事でしたから、毎日観察したんです。 ところが1週間経っても、まったくもって変化無しでして・・・。
いっそ酢作りは止めてクイと飲み干しちまおうか!とも考えましたがせっかくなので、もう少し見守るようにしましてね・・・
そして15日が経過した頃、たしかにうっすら膜を張ったんです!
ここで一旦、よくかき混ぜてから、再度放置するんです、再び膜が現れるまで。
そして5日後! やけに早かったですね今度は。 膜張りましてねー。 これをコーヒーフィルターで濾すと、堂々自家製酢の完成となります。
ほのかに黄金色していて、いかにも酢っぽい外観です(ページトップ画像)。 すかさず鼻を近づけると・・・酢っぽい香りはないですね。 そこでエイヤと口にすれば、
とってもフルーティーな酸味がありました。 そうですねこれ、リンゴ酢みたいです。 なにせお猪口一杯しか仕込みませんでしたから、完成した酢は微々たるものですが愛しいですね、自家製酢。
ちゅうことでヌタなど作らず、チビチビ三日に分けてそのまま飲んじまったんです。
いや良い勉強になりました。
いつも感じますが、調味料を実際手作りしてみると、以降アリガタミが沸きますね、これは味の主観にも影響を及ぼします。
16/05/13