「ちゃんと注意して茹でたハズなのに・・・」とウチの家内はよく嘆いております。
せっかく茹でた卵の殻を、いざむこうとしたところ、なんか薄い膜に邪魔されて上手くむくことができないのです。
たしかに卵によっては注意して茹でてもこうなることがありまして、そんな時は次のようにやるときれいに殻をむくことができるんです。
さてまずはゆで卵を作りましょう。 半熟もよいものですが、今回は固ゆで卵を作ります。
まず卵の底の中心に、画鋲で穴をあけておきましょう。 こうすることで、後ほど卵の殻がむきやすくなります。
卵に穴をあけるなんて、なんだか中身がでてきてしまいそうな気もしますが、卵のこの部分には気室がありまして、中身が出る事はないのです(参考:卵辞典)。
グラグラ沸騰した湯に卵をゆっくりと沈めまして、12分程度煮るとできあがりです。
卵を15分以上茹ですぎてしまうと、黄身の周囲が黒ずんでかっこ悪くなりますので要注意です。 茹でてから長時間水につけておくのも黒味を作る原因となりますのでやっぱり要注意です。
その原因は、卵白の蛋白質の中でシスチン、システイン等イオウを含むアミノ酸が熱のために分解して硫化水素という気体ができて、それが卵黄の中の鉄分と結びついて硫化第一鉄という暗緑色の化合物になるからです。 ちなみに古い卵ほどこの反応が起きやすくなります。
※卵を乱暴に沈めてしまうと、殻が割れて中身が流出してしまいますので、ザルなどを使い、静かに沈めるようにしましょう。
茹であがったら即流水につけて、1、2分かけて冷やします。 こうすることで、後ほど卵の殻がむきやすくなります。
流水から引き上げて水気をふいて、まずはすりこ木等で卵の表面をまんべんなくコツコツ叩いて殻を細かく砕いていきます。 気が短い人はイライラするでしょうが、美しい茹で卵を食べるためです。
さてさて、正しい手順をふんだので、きっと茹で卵はすんなりむけてくれて、ツルッツルたまご肌をみせてくれることでしょう。
いざ、「ペリッ。 あれ?」
ちゃんとやってんのに、殻をはがすと薄い膜が現れました。 卵の表面は思い描いていたツルツルではなく、膜のおかげでザラついています。 この膜こそが、綺麗な茹で卵作りにおける最大の敵なのです。
邪魔な薄膜をはがそうと苦心してつまみ、いざひっぱると白身までついてきてしまう有様です。 こうなると一気にトーンダウン、料理どころではなくなります。 心がボキッと折れる瞬間です。
ちゃんと茹でたにも関わらず、殻をむいてみたら膜が現れた場合はあせらずこうやります。 殻をむりに引きはがそうとせず、 両手で卵をつつんで優しくコロコロ転がすのです。 半熟卵の場合は、より優しく転がします。
すると無意味に頑張っていた薄皮は態度を改め、殻のほうへ移ってくれるはずです。 そうなればしめたもので、まるでリンゴの皮でもむくかのように、 殻の下の薄皮ごとクルクルむいていくのです。
無事ツルツルにむくことができました。
12/07/20