あらゆるダシに感謝しています。
ダシがなければあんな料理やこんな料理も作れません。 ひとつひとつ例をあげるとキリがないのでやめておきますが、 ダシ無しでは料理が作れないのです。
これまでに和風だし、鶏のだし、 豚のだしと追求してまいりまして今回は、牛のだしです。
もう怖いもんなんてありません。
これが牛の骨です。 豚でいうゲンコツにあたる部分で、豚よりもかなり大きく頑丈そうです。 これならイイダシがでるはずです。
ひとつ注意しておきたいのは、骨に関節が含まれていることです。 ここを肉屋さんで確認してから購入してください。 想像しているよりも、きっとかなり、安いハズです。
大鍋に湯をわかし、骨を沈めます。 しばらく煮立てたら湯を全部捨てて、水を張りなおします。 ゲンコツとおんなじです。
これから半日以上かけて煮出していきます。 やっぱりネギやニンニクなど野菜を一緒に煮込んだほうがよいものです。
はじめのうちはどんどんアクがでるハズですのでこまめにすくいとってください。
煮る際に酢を少々加えるのが丸本淑生流です。 酢を加えることにより、煮汁にカルシウムを溶け出させる効果があるといいます。 はじめは酢の香が立ちますが、やがてしなくなります。
何時間も煮るわけですから当然水かさは減っていきます。 その都度、骨が隠れるように水を足してください。
実のところ、一体何時間煮ればよいのか?という件ですが、目安は骨の髄がずっぽり抜け落ちるまでになります。
画像では、髄がもう少しのところで骨から出てしまいそうになっていますけど、ここからもう何時間か煮ないと抜けてくれません。 こういうのを見ると、ついほじくり出してしまいたくなる性質なのですが、そこをこらえて煮出し続けます。
煮続けること18時間、ついに髄はズルリと骨から抜け出てきました。 長かった・・・。
骨を取り出しまして、スープをこします。 この際、抜け出た髄の姿がちらほら見られると思いますのでそれは大事にスープの中に戻しておきます。 髄最重要です。
そしてしばらく室温で放置しておくと、脂がびっちりと張ってきますので、それを丁寧にすくいとります。 びっくりするぐらいの脂の量に、思わずびっくりしてしまうはずです。 取り除いた脂を放置しておくと、冷え固まってビックリするハズです。 これは豚でいうところのラード、牛だからヘットになるハズです。
炒め物などに利用してみてはいかがでしょうか? あまりの美味しさにびっくりするかもしれません。
脂をすくいとったスープを、今度は冷蔵庫にしばらく入れておきます。 するとどうでしょう、 あんだけしっかり脂をすくいとったハズなのに、冷え固まった脂がまたビッチリ表面を覆っていてびっくりです。
丁寧に取り除いてください。
これでようやく、牛骨のストックのできあがりです。 色んな調理に活用してください。 もちろん冷凍保存も可能ですから、牛乳パックなどで小分けにして保管しておくと便利ですよ。
10/06/05