メニュー


灰干し

灰干し

デパートの地下食品売り場で遊んでいると、灰干しが売られていました。

「灰干し」という言葉は聞いたことがありましたが、現物を見たのは初めてです。

ひとつ手に取り、ためつすがめつ眺めます。 どこからどうみても、普通の一夜干しと変わりありません。 魚に灰がついていたりしません。

疑問に思い「灰干しって一体何なんでしょうか?」と販売しているおばさんに尋ねました。  するとおばさんは饒舌に、「灰干しとは何か」を語り始めたのでした。

灰干しの灰

以下おばさんに教えていただいた灰干しの作り方です。

「灰干し」というぐらいですから灰が必要なのですが、なんと灰干しに使われる灰は、灰は灰でも火山灰だというのです。

おそらく火山灰は売っていないので、灰を作り出さねばなりません。 一体どうやって灰を作るか? しばらく考えた後、炭を焼いて灰にすることを思いつきました。

そこで灰干し作りにとりかかる前日に、炭火をガンガン焚いて、焼き鳥パーティーを執り行いました。

宴の後に残った炭の燃えカスを、丹念にふるいにかけて、白い灰を手に入れたのでした。 大量の炭を焚いたにも関わらず、入手した灰はこれっぽっちです。 灰って貴重なものなんですね。


魚を塩水に浸す。

魚の種類は何でも結構です。 今回はアジを用いております。 一夜干しを作るときのように、ウロコをかいてワタを抜き、開いてから塩水に浸します。

コップにすりきり一杯の塩をバットに入れて、同じコップで水五杯、酒一杯を注いで塩の粒が見えなくなるまでかき混ぜたものが、塩水です。 詳しくは、 一夜干しの作り方をご覧ください。

浸しておく時間は、20分です。


バットに灰をしく

魚を灰にうずめる

バットに灰を敷きつめます。


灰の上に和紙を置く

その上に和紙を置きます。


和紙の上に魚を置く

和紙の上に塩水に浸しておいた魚を置いて、


魚に和紙をかぶせる

上から和紙をかぶせます。


和紙の上に灰をかぶせる

和紙の上から灰をかぶせます。

以上が灰干しの手法です。 なるほど、和紙で魚をくるみ、それを灰にうずめるわけなんですね。  ほぉー。 これって、紙塩と似ていますね。


灰がしっとりぬれる

そういえば一体どれくらいの時間、灰に埋めておくのかを聞いていませんでした。 このへんはカンで判断することにします。

魚を灰に埋めてから半日が経過した頃、灰がジトッと濡れていることが確認できました。

和紙をフィルターに、灰が魚の水分を吸収したわけですね。 なるほどー。 ここで魚を取り出してしまおうかとも考えましたが、灰干しというぐらいですから、 せめて丸一日は、灰に埋めておくことにしました。


灰干しのできあがり

灰干しのできあがり

灰に埋めて一日が経過したところで、魚を取り出します。 和紙でサンドしていましたから、魚にはこれっぽっちも灰がついておりません。 身は水分が抜けてしまっており、 うっすら飴色に光っています。 これにて灰干しのできあがりです。

そうなんです。 灰干しという名前ですが、干さないんです。 干す工程を、灰で代替しているのです。 ということは、室内のみで灰干しは作ることができますので、 天候に左右されることなく干物を作ることができるということになります。

一体どなたがこのような画期的な方法を考え付いたのでしょうか、素晴らしいです。


灰干しを焼く

焼いて食べる

遠火の強火で焼きあげます。 今回自作した灰干しは、買ったものと比べても遜色のない完成度でした。 灰干しの魚は、 食べてみるとわかりますが、塩加減が絶妙になります

これは和紙がよぶんな塩気を吸収するからなのか、灰の力なのかは不明ですが、とにかく普通に干して作った干物よりも、ほんのりとした口当たりのよい塩気になるのです。 不思議。

灰さえ手に入れば、簡単に作ることが出来ますので、干物好きの方は、是非作ってみられてください。


以上灰干しの作り方でした。 販売のおばさんに心からお礼申し上げます。

灰干しのツボ

  • おばちゃんは親切にワカメの灰干しの作り方も教えてくれました。 ワカメの場合は、とれたてのものをそのまま海水で洗ってから、直に灰にうずめます。  灰に埋めることにより、ワカメのアクが抜けるそうです。 そして灰からワカメを取り出し、海水で洗ってから天日干しにするそうです。 一方普通の干しワカメは、 海からとって、茹でてから干すのだそうです。

おさらい

魚を開いてたて塩にする。 和紙ではさんで灰に埋める。

11/03/26



ページトップへ
* *