近頃の立ち飲み屋さんは凄いですね。
飲み屋街を歩いていたら立ち飲み横丁に行き当たり、どこもよく混んでいましたが、中でもひときわ混雑している店へすべり込んだのです。
流行っている理由は一目瞭然で、酒もつまみも安いったらありません。 しかも格酒揃いとは……。
品書きを眺め、あじのなめろうを注文しました。
たぶん冷蔵庫を開いてタッパーウェアを取り出し、大量に作り置きしているなめろうを匙ですくって小皿にポイッ、と盛りつけるんだろうなと思いきや、
なんと店主はこの寒さの中表へ出、バケツに入った氷水の中に腕を突っこんで鯵を一尾取り出したではありませんか!
そして手際よく三枚におろし、包丁でカタカタと叩きはじめたのです。
注文してからおよそ五分。 おろしたてのなめろうが目の前に置かれたのでした。
味は言うまでもありません。
お客の誰もが注文してカブりついているカニコロッケが気になって、マネして注文してみたんです。
たぶん冷凍庫を開いて業務用的冷凍モノのコロッケを取り出してチンするんだろうな、
と思いきや違いました。 カニミソとカニのほぐし身をよく混ぜたらごくわずかにつなぎを加え、団子にまるめて衣をつけて揚げたんです。
このコロッケ、ジャガイモの「ジャ」の字もありません。 カニ100%の恐るべき塊だったのです。
控えめに名物と記されたガリ・キャベツは、「何ですコチラ?」と聞けば店主のお母様が田舎でせっせと作っているものを送ってくれるらしく、
自分で食べているだけでは追いつかない頻度で送られてくるので試しに店で出してみたらお客のみんなが感動した!という真心あふれる一品でした。新生姜を見かけたら、ぜひガリを仕込んでみてくださいウソみたいにカンタンです。
もうお分かりのように、ガリとキャベツを合わせたものがガリ・キャベツです。
ガリを作る手順をおさらいしますと、生姜の皮をむいて薄く刻み、湯に通した後水に放ち、しばらくそのままアク抜きをします。
砂糖と酢を1:2の割合で混ぜ合わせて甘酢を作ります。 これに水気を切った生姜をひたして一晩置くともうできあがり。
生姜はほんのり紅色に変化しているでしょう。 ひとつまみすれば…ガリはお寿司屋さんだけのものではない事が実感できます。
キャベツの葉に塩を振ってビニール袋に入れしばらく置くと、キャベツの即席漬けができます。 このキャベツの水気を絞ってガリの浸かる甘酢の中へ混ぜこんだら準備完了です。
一晩寝かせばキャベツの鮮やかな青は消え、ガリと一体化しているでしょう。 器に盛り付けてあたりゴマを散らしてさあどうぞ。
ガリのジャクジャクとした歯ざわりの中にキャベツのガリガリが合わさりえも言われぬ食感です。
さあ存分に呑みましょうぞ。
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19/12/07