神田の某有名蕎麦屋の職人さんが一から蕎麦を打つ姿を見る機会がありました。 それこそもう、何時間もずっと凝視し続けたのですがやっぱり凄いですね職人さんは。
粉を、あんな綺麗な麺に仕上げてしまうのですから恐るべしです。 打ち粉がパーッと舞ってカッコいいんですよ。
オイはというと、ヒマを見つけては自家製手打ち蕎麦に勤しんでおりますが、今だ人に食べさせるレベルのものは作れません・・・。
よって、そば粉が大量に家にストックしてありまして、蕎麦が上手に打てなかった日には、ささくれ立った心を溶きほぐすために、娘と一緒にガレットを焼くんです、甘い。
そもそもガレットとは何なのかといいますと、クレープです。
そのクレープをそば粉で作ったものが、フランスはブルターニュ地方の郷土料理であるガレットなんです。
それではさっそく調理開始です。 卵を二つばかりボールに割り込みまして、塩を3つまみばかり加えてから丹念にかき混ぜます。
250グラムの牛乳(室温)を用意しまして、その半量を溶いた卵に加えます。 残りの半分はのけておいて、しっかりと混ぜ合わせます。
そば粉100グラムと小麦粉20グラムを合わせたものを卵牛乳に合わせます。 ダマにならぬよう、めいいっぱい混ぜ合わせます。 この際そば粉と小麦粉は、麺を打つ時のように前もってふるいにかけておいたほうがよいものです。
ある程度まとまってきたら、のけておいた牛乳も注いでサラサラ溶いていきます。
さて実は、ガレットというものは本来そば粉100%で仕込むものなのですが、二八そばですら満足に打てないオイがそば粉100%で頑張るなんて勘違いも甚だしい話です。
ですからここでもそば粉に小麦粉を合わせることにしているんです。 腕に覚えのある方は、是非そば粉100%で作ってみてください(生地が固めになるので焼くのに技術を要します)。
仕上げにサラダ油40グラムをたらしこみ、しっかり混ぜ合わせれば、テラテラしたガレット生地の完成です。
完成した生地は30分ぐらい寝かせておくとよくなじみます。
フライパンをよく熱し、油を引いてから弱火にかけます。 そこへお玉一杯分の生地を高いところから流し込み、即フライパンを巧みに傾けつつ生地を円形に広く伸ばします。
書くのは簡単ですが、やるのは少しコツがいりますので、はじめの2、3枚は、練習のつもりで焼けばよいかと思います。
※強火でサッと焼けば格好良いものですが、かなりのスキルを要します。
生地のフチが若干色づいてきたら、時折焼いている面をめくっては確認し、ほどよく焼き上げます。 生地を裏返してからは、ほんの10秒程度で焼き上がりとなりますので、そこんとこを注意してください。
失敗したっていいんです、自分で作って食べることに意味があるんです。
本場ではハム等ヘビーなものを巻きんでガッツリ喰らうのがガレットなのだそうですが、今回そんなことはどうだってよいのです。 娘が食べたいように食べればよいと思います。
ちなみにこれは、ガレットを四つ折りにして、娘がトーストでよくやるきな粉と砂糖、それにバターをのっけたものです(KSBパン)。 喜んでました娘。
あたしゃ酒飲みなんで、娘みたいに甘いガレットを何枚もむしゃついているわけにはいきません。 かといってガッツリくるのもあれですし。
これはうす焼というものでして、池波正太郎氏が信州の方に教えてもらったものです。
蕎麦粉をトロリと溶いて、フライパンに流し込み、うす焼きにします。 引き上げたのにショウガとニンニクのすりおろしたものを混ぜた味噌を塗りつけて、 刻みネギを散らし、二つに折って熱いうちに食べるんです。 甘党の娘ですら飛びついたぐらいです。
※ガレットの生地をそのまま流用してもイケますが、出汁で蕎麦粉を溶いて作るとなお旨いです。 今回テンメンジャンを使ってます。 うす焼きは『食卓の情景』にあったもので「ちょいと、うまい。」と池波さん。
娘と一緒にガレットを焼いて食べる。
12/04/23